姉妹チート:RE

成人式

「じゃあ、行ってくるよ」
「あまり遅くなるなと言いたいところなんだけど……」
「分かってる。水奈も気を付けて」
「うん」

そうして水奈の車を降りると会場に向かった。
水奈の車は爆音を立てて走っていった。
僕は新調したスーツに身を包んでいる。
ここにいる男性はみんなそうだろう。
女性も皆振袖をきて髪をセットしている。
今日は成人式の日。
地元の新成人は良くも悪くも大人しかった。
この人混みの中でどうやって探そう？と思ってるとスマホで連絡があった。
玄関で待っているらしい。
玄関に向かうと皆待っていた。

「お、似合ってるじゃん」

光太が言う。
今日は麗華さんも来ている。
もっとも振袖は諦めたらしいけど

「面倒だから丁度いい」

そう言っていた。
麗華さんが身重で動けない分、光太が家事をやっているらしい。
だから、夜遊びも減った。
麗華さんは色々相談した末、退職することにしたそうだ。
双子の赤ちゃんだと分かってから相談して決めた。
双子の面倒と仕事の両立は無理と判断したらしい。
学と善明も順調に夫婦生活を送っているそうだ。
嫁とはいえ学生。
家事の分担等はしっかりしているらしい。
夜遊びなんてもってのほか。
2人とも嫁には頭が上がらないらしい。
ちょっとでも不安をこぼそうものなら母親が黙っていない。
それが却って美希や海璃に不安を与えているそうなのだが。

「学生の間に遊んでおけ」
「一人の時に遊んでおかないと浮気の元」

そんな噂が流れる中真面目な旦那に将来浮気をしたりするんじゃないか？
そんな不安をこぼしていた。
多分そんな事は無いと思うから安心していいと思う。
そんな感じでSHで集まって遊ぶという事はめっきり減った。
今日も式が終わったら亀梨夫妻は帰るそうだ。
麗華さんがしんどいから。
本当は来るつもりもなかった。

「せっかくの記念日なんだから行ってきなさい」

両親に言われたそうだ。
まあ、背後には善明の母さんがいたわけだけど。

「祝日に休ませられないほど過密スケジュールを組んでいる無能など僻地に飛ばしてしまえ」

そんなクレームを平気でつけるらしい。
残った皆でボウリングとカラオケをして楽しむ。
夜は居酒屋で楽しむ。
1次会が終ると僕は水奈に連絡をする。

「もう帰るのか？空」
「うん、水奈が待っているから」
「そう言う事なら仕方ないな」

学達は2次会に行くらしい。
駅で待っていると水奈が迎えに来た。

「本当に早かったんだな」
「うん、今日は何してた？」
「天音達と遊んでた」

そんな話をしながら帰る。
家に帰るとスーツを着替え風呂に入って、リビングで寛ぐ。
遊や粋達は相変わらずのようだ。

「はい、これ」

水奈からのプレゼントらしい。
腕時計だった。

「あまり空がつけてるの見ないからさ」
「ありがとう」

早速つけてみる。

「似合ってる？」
「私が選んだんだから当たり前だろ？」

見るテレビが無くなると寝室に行く。
明日は休日だ。
どこかに遊びに行く？
水奈に聞いてみた。

「じゃあ、映画でも見に行こうか？」

水奈が見たい映画があったらしい。
次の日準備をして映画を見に行った。
普通のハリウッドのアクションもの。
その後昼食を食べて買い物して帰る。
後期もあと少しで終わる。
水奈も考査に向けて頑張ってる。
皆が何事もなく無事に過ごしている。

「来年が楽しみだね」
「どうしてだ？」
「水奈の振袖姿見れるんだろ？」
「……母さんがしんどいだけって言ってたんだけどな」

スーツで参加しようと思ってたけど空が見たいなら我慢するよ。
水奈は笑っていた。

「きっと皆の父さんも見たがっているよ」
「多分あの変態は空と違う意味で楽しみにしてる」

そんな話をしながら僕達は眠りについた。
今年もあとわずか。
あっという間に1年が過ぎていくけど、きっと何がしかの意味をもっているのだろう。
僕達の物語は永遠に続くのだから。