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第三章 夕方の君は真実を話す
学校を出て今は瀬戸真白と下校している。彼女との関係はただの友達関係でしかないが親友と言ってもいいのかはわからない。
空はもうすでに薄暗く、薄暗い空の上にキラキラと明るい一等星が見えている。僕はもうすぐ真っ暗になって夜になっていくんだなと思いながら歩き、瀬戸さんにいたった。
「あの星瀬戸さんのようにキラキラ輝いているよね」
「長浜君、すこし行きたいところがあるんだけどいいかな」
瀬戸さんは急に行きたいところがあると言って僕の話は聞かなかった。でも僕は大したことでもないなと思いつつ
「どこに行きたいの瀬戸さん」
と行先を聞いた。
「海に行きたい」
彼女はただそれだけを言って僕はわかった、それじゃあ海に行こうと言って一番近くの海に行った。
海に着いた時にはもうすっかり空は暗黒の色に染まり星々がたくさん輝いていた。僕と瀬戸さんは浜辺へと繋がる階段に座り何も話さずにずっと海を眺めていると瀬戸さんから先に話し始めた。
「あのね、長浜君、私あなたに聞きたいことがあるの。まずは最初に聞くことは、私はあの一等星のように輝いているかしら」
これは少し前に僕が瀬戸真白に向かって言った言葉だった。てっきり僕の話は無視したのかと思っていたが、逆に瀬戸真白本人からこのような質問が来るとは全く想像していなかったので僕は驚きながらもしっかり答えた。
「瀬戸さんは少なくとも僕の中ではあの一等星の様に輝いています、何色にも染まらない瀬戸さんはとても僕の中であこがれるし、すごくほかの人からも慕われて僕はとても輝いているように見えています」
僕は後から自分の言った言葉の単語を一つずつ思い返していくと痛いことも言ったがそれもすべて、僕の一つの思いなので彼女に告げると
「これはまさか遠回しで私への愛の告白なのかしら」
瀬戸さんは僕に笑いながらそう話す。僕は別に愛の告白ではないですよというと
「それじゃ私のこと好きじゃないの」
と少しうつむきながら弱弱しく言葉を発し、しながら僕に伝える。僕は嫌いかと言われれば嫌いではないですし、それに好きでもないので普通ですねときっぱり答えた。
「そうか、分かったは。あなたに一つだけ私の秘密を教えてあげる、その代わり明日から私とは関わりを断ちなさい」
瀬戸真白はそう言って話し始めた。僕は聞くとも一言も言っていないのに話始め僕は彼女の話す声を聴きたくなくても聞いてしまう。これは不可抗力だと言いたい。でもそれを言ってしまうと聞いていることになり、そんなことを考えながら僕は聞いてしまった。
「私はね病気なの、絶対に治らないと言われている病気でね、それが予想よりも早く進行しているらしく私の命は残り長くて半年ぐらい。高校を卒業するのは難しいだろうと病院の先生は私に言った。私はこの話を長浜君にするかどうかはものすごく考えたけれどもう言っちゃっていいんじゃないかなと思って今言っています。だから今言った通り私は絶対に治療することもできない病気で薬もなく今は新薬を使って病状を抑えているだけで、これからどんどん効かなくなるし、これ以上君には迷惑をかけられない。だからこの話を最後に私たちは何もなかった時のように戻りましょう」
そう話し終えると彼女は泣いていた。僕は泣いている彼女をどうすることもできずにそのままただ茫然としているだけで、彼女は一人先に帰って行った。
話を聞いてからどのくらいの時間が過ぎただろうか、僕は力が入らない体でゆっくりと家に向かって歩き始めた。歩いているときも、今さっき聞いた病気のことが頭の中でいっぱいで、それにあんなにも泣いた姿を見た彼女は今までずっと黙っていて、とてもつらかっただろと思うと僕よりも強い。病気に戦いながら僕にそのことを黙って学校生活を過ごしていて、僕は何一つ気づけなかった。そんな僕は本当に情けないなと自分でも思ってしまうほどだ。
家に着いたら僕はそのまま自分の部屋のベッドに寝ころびそのまま熟睡してしまった。
朝目が覚めると僕は頭の中に瀬戸真白のことが思いついた。昨日の話、今日夢の中で彼女がいなくなってしまったことが照らし合わせられ、僕は朝からシャワーを浴び学校に行く準備をすると、朝食を食べずにすぐさま学校へと向かった。
学校へ着いたときはまだ瀬戸真白の靴箱には靴が置いていなかった。僕はまだ来ていないのかと確認すると、ひとまず自分の教室に荷物を置きその後屋上へと向かった。でもその屋上はいつもと違って開いていなかった。いつも屋上は瀬戸真白がいるからこそ開いていて、今はいないから屋上すらいけないことに僕は彼女の存在がとても大きいことに、とても感じさせられた。
それから時は過ぎ朝のHRの時間がやってきた。担任の先生からまず大きな話が一つあった。それは瀬戸真白がこの学校から退学したという話だ。先生の話だと転校理由は家庭内事情としか聴かされてはいなかったが僕はきっと、病状が悪化していて、昨日僕に全ては穴下から学校へ行く理由も無くなったため退学したのだろうと僕は思った。
HR中僕はずっと頭の中は瀬戸真白のことで一杯だった。今まで過ごしてきた時間が多かったせいか彼女がいないと少し隣がさみしく思えた。だから僕はHRが終わりすぐに先生に直接話を聞くことにした。
「先生あの瀬戸さんなんですけど病気のせいで退学したんですよね」
僕は先生に鋭い目つきで聞くと
「お前知っていたのか、瀬戸は、今、前よりも今ものすごく体調が悪く学校にこれ以上これなくなるということで、自主退学をしたんだ」
先生は隠すことなく僕に教えてくれた、だから僕は瀬戸真白が今どこに入院しているのかを今度は聞くがお前だけには教えられないと言って全く相手にされなかった。
その後僕は今まで通り学校で授業を受けて学校が終わるとすぐに家に帰るようになった。
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