第五章 君との少し縮まる距離感

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第五章 君との少し縮まる距離感

 僕と瀬戸真白は土日を使いプチ旅行に行った。彼女と今まで少し高い壁があったが、今ではその高い壁も低くなり連絡先まで交換した。僕は学校に向かいながらも少しランランランと鼻歌を歌いながら誰も歩いていない道を一人スキップしながら学校へと向かっているとちょうど曲がり角から女子大生のような人が急に出てきて、僕はもう少しでぶつかりそうになったが間一髪でよけて、僕は心臓がドキドキとした。僕はドキドキと高鳴る鼓動を抑えながらも急に出てきた女性を見るとなんとその相手は瀬戸真白だった。僕は彼女に急に出てきたら危ないよと言うと彼女は 「あなたが変にスキップしなければ危なくはないのよ、それに私はタイミングを見計らって出てきたから」 彼女はそう言って僕がスキップして来ていたことを知っていて、僕は恥ずかしくなったが瀬戸真白は僕に 「それじゃ一緒に学校まで歩きましょう」 と言って彼女は僕に手を差し伸べてきた。僕は何で僕に手を伸ばしているのと聞くと 「そりゃ寒いから手を繋いで一緒に学校まで行くためよ」 彼女は普通でしょと言わんばかりの顔で僕に言う。だから僕はこの手を繋ぐことは普通のことなんだと思いながらも、僕は彼女の手を握るがなぜか緊張して手に変な力が入ってしまう。それを彼女は感じたのか僕に 「長浜君、なんか緊張してんの?」 と聞くので僕は別に緊張なんかしてないよと言いごまかすがやはり体は正直で、僕の心臓の鼓動がドキドキと早く脈を打つ。  それから僕はいつものように平常心を装いながら手を握り学校の正門まで歩き僕はそれじゃ行ってくるねと言うと 「帰りも迎えに来るから帰りのHRが始まるときに連絡入れて」 と言い僕は分かったよと言って僕は学校へ行き、彼女は来た道を引き返して行った。  僕が教室に入ると、仲のいい拓海が僕に 「お前今日の朝手を繋いでかわいい女の子と一緒に登校してきたらしいじゃないか」 と言ってきた。僕はそうだねと普通のように答えると 「お前よく平気でいられるな」 と言った。僕はどうしてなのかと聞くと拓海は僕に、普通朝からイチャラブして学校まで登校して来ないぞと言ったので僕は拓海に 「別に恋人ではないよ、ただの友達だよ」 と言い返すと拓海は僕に 「女の友達で、手を繋いで登校してきて恋人でないわけがないだろうが!」 と拓海は力つよく僕に言った。僕はでもまだ告白もしていないし、恋人になった記憶もないよと折り入って話すと 「それじゃお前その女紹介しな」 と言った。僕は別にいいけれど、拓海も知っている人だぞと言うと、拓海はさて誰だと言いながら僕に 「今日合わせてよ」 とお願いしてきた。僕は今日一緒に帰る約束してるからいいよと言うと、拓海は嬉しそうにありがとうと言って朝のHRが始まるので自分の席へと戻って行った。  それから学校で僕がいつも通り生活していると、朝からずっと今日はなぜか同じ学年の男女共に僕の話しで盛り上がっていた。僕はいつも一人目立たずに学校へ来ているのに、今日に限って異性の人と手を繋いで学校まで登校してきたから、その影響で今日はずっと僕の無い噂まで広がっていた。僕は仕方ないよねと思いながらも注目を浴びる学校生活を送った。  それからあっという間に学校の授業もすべて終わり、やっと帰りのHRの時間。僕は瀬戸真白にメッセージで 『今からHRが始まるよ』 と送ると彼女からは了解とスタンプが送られて来て僕は彼女が送ったスタンプを見るとスマホを制服のポケットへと入れた。  それから十分位でHRが終わり、僕は急いで靴箱へ向かおうとすると拓海が僕を呼び止めた。 「悠真ちょっと待ってくれ」 僕は分かったよと言い拓海の席へと行きそこで拓海と話しながら帰りの準備ができるまで待った。  拓海がようやく帰りの準備が終わったのが帰りのHRが終わってから約八分後、僕は急いでと拓海に行って靴箱で上履きから黒のローファーに履き替えて、正門まで走って向かうとそこには瀬戸真白が待っていた。僕は息を切らしながらも 「お待たせしました」 と言うと瀬戸真白は全然大勝負だよと言って 「それじゃ一緒に来てほしいところがあるの、だから長浜君一緒に来てくれない」 と言った時に拓海が後ろから自然な感じで 「悠真待ってよ」 と言って駆け寄ってきた。瀬戸真白は拓海が近づいてやって来たことに気づくと 「久しぶりです東山君」 と言って軽く会釈をした。拓海は瀬戸真白に気づくとすぐに 「お久しぶりです、瀬戸さん」 と言って深々と頭を下げた。そして拓海は僕に 「お前なんで瀬戸さんと一緒に・・・」 途中で拓海は喋るのを止めて何か考え始めてすぐに僕の耳元で 「お前が一緒に手を繋いで学校に来たのって瀬戸さんなのか?」 と聞いてきた。僕はそうだよと言うと拓海は瀬戸真白に 「あのぉ、つかぬ事をお聞きしますが悠真とはどのような関係ですか?」 と聞いた。 瀬戸真白はそうですねーと言ってしばらく間を空けてから 「今のところは友達以上親友未満ですかね」 と言って僕の方を見た。僕もそうだねと言うと拓海は本当ですかと瀬戸真白に聞きなおすと 「本当ですよ」 と言って拓海に同じように答え返す。そして拓海はほっとしたのか僕に 「疑って悪かった」 と言いながらももう一つ質問した。 「今日はなぜ悠真と手を繋いで学校まで登校したんですか?」 僕もまだ聞かされてはいなかったので気になるなと思い彼女の返答を待つと 「青春的な事をしてみたかったからかしら」 と言った。拓海はそうなんですねと言い僕に 「それじゃ先に帰らしてもらうね」 と急に言い僕はまた明日というと拓海は物凄い勢いで走って帰って行った。  僕はいったいなぜあんなにも急いで走って帰ったのかなと思っていると、拓海が走って帰ってから三分後に僕のスマホにメッセージが届いた。 『悠真頑張れよ、俺応援するから』 拓海の意味深なメッセージが届き、僕はずっと頭の中がはてなマークでいっぱいになっていると、瀬戸真白が僕に 「ところで私について来てくれるんですか、どうなんですか?」 と言いながら僕に言う。僕は瀬戸さんについて行くよと言うと、彼女はありがとうございますと律義にお辞儀までして僕をある場所へと案内した。  しばらく歩いて約二十分後、僕が連れてこられた場所は立派なお屋敷だった。僕は瀬戸さんにここはどこなのと聞くと、彼女は僕に 「おばあさまのお家です」 と言い僕は家の大きさに圧倒されながらも、彼女の後ろをついて行った。それから僕は家の中に案内され、最後に向かった場所はなんと屋敷の一番奥の部屋だった。僕は緊張しながら扉の前で立っていると瀬戸さんが僕に 「あまり緊張しなくても大丈夫ですよ、それに今日は私の話しに合わせてもらえれば大丈夫なので」 瀬戸さんはそう言って僕の耳元で囁くように話し僕は 「わかった」 と言って瀬戸さんはふすまを開けて部屋の中へ入った。  部屋の中には和服を着た一人の女性が畳に座布団を敷き、その上に正座をして本を読んでいた。瀬戸さんはその女性に 「おばあ様、お久しぶりです。真白今回おばあ様にご紹介したい人を連れてまいりました」 瀬戸さんはそう言って部屋には入らずに話しをしていると 「真白、部屋に入りなさい。その殿方も一緒にどうぞ」 瀬戸さんは僕に 「それじゃ一緒に行きましょう」 と言い手を握って部屋の中へと入った。部屋に入ると僕と瀬戸さんは座布団の上に正座して座り、瀬戸さんの祖母が僕に 「この度は遠いところからご足労いただきありがとうございます」 僕はいえいえ大丈夫ですと言って軽く頭を下げると、瀬戸さんはおばあさんに 「おばあ様、ようやく私に恋人が出来ました」 そう言って瀬戸さんは、瀬戸さんの祖母に報告をした。僕はそのためだけに今日はついて来てと言われたのかと今わかり、これから何を聞かれるのかなと心配になりながらも、これから一時間近く話しをし始めた。  話がようやく終わったころにはすでに十八時をまわっていた。僕は痺れた足で何とか家の外まで歩き、瀬戸さんに僕は言った 「今日はどうしておばあさんに恋人の報告をしたの?」 瀬戸さんは僕に 「それは今まで可愛がっていた孫にも、ようやく恋人が出来たって報告したいじゃないの、それに嘘でも言わないと私一生独りぼっちだし」 瀬戸さんそう言って僕に今日はありがとねと言った。僕は特に大したことはしてないけれども、また困ったことがあったら教えてねと言って今日は今いる場所で解散とした。  僕は家に着くとすでに十九時近く、僕は急いで晩ご飯の準備を行い、ご飯を食べると急いでお風呂に入り寝ることにした。ここ最近色々と疲れすぎて、今体は睡眠を欲しがっているので自分で考えて今日は、早めに就寝した。  翌朝いつもと変わらない時間に起きると、体はすっきりとした感覚で、僕は気分が良かった。昨日早く寝たおかげなのだろうか、僕は詳しいことはあまりわからないが今日も学校に行く準備を行い、学校へと向かう。  僕はその途中で今日も瀬戸さんに出会い彼女は僕に質問をした。 「もしも私があなたのことを好きだと言ったらどうする?」 僕は彼女にどうするも何も、僕も好きだよって言いますよ。 瀬戸さんは僕に 「私のこと好きなの?」 僕は、それはどうでしょうか、と言いながら立ち止まっていたので僕はゆっくりと歩き始めると 「教えてよ、私気になるから」 僕はその時が来たら根と言って学校へと向かった。
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