第六章 告白

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第六章 告白

 僕は瀬戸さんに好きかどうかと聞かれ最初は好きですよと答えたが、本当かどうかを聞かれた時には答えれなかった。なぜならやはり恥ずかしさが僕の本音よりも恥ずかしいと思う気持ちが勝ったからだ。そして、僕は今学校の自分の教室の席で授業が始まるまで三階から見える景色を眺めえ一人上の空。  学校のチャイムが鳴る、僕は今日も先週と同じ時間割で動き毎週少しずつ違う内容を勉強しながら今日を過ごす。僕は授業中ずっと瀬戸さんにいつになったら自分の気持ちを伝えられるようになるかなと思いながら一日中過ごし、あっという間に放課後の時間になった。僕は教室から大半の人が出ていくと僕も帰る人の波に乗って靴箱へと向かう。その時に僕は今日全く誰とも学校に来てから話していないよなー、と思い自分のローファーを取り履き替える。そしてローファーに履き替えると、自分の家に向かって帰ろうと正門を出ると 「お疲れ様、長浜君」 「お疲れ様――、てぇ、来てたんですか瀬戸さん」 僕は驚きながら瀬戸さんに話す。瀬戸さんはごめんね、驚かすつもりは全くなかったんだけど何かすごい真剣な顔をしていたから少しでも何かして、やりたくて」 彼女は最後まではっきりとは喋らずに、途中で段々と声は小さくなっていった。僕は瀬戸元気のない瀬戸さんに 「少しだけ一緒にお出かけしませんか?」 瀬戸さんは目を大きく見開いて 「いいのぉ?」 僕はえぇ、もちろんいいですよと言って僕と彼女は少し小高い場所にある公園のブランコに座り話をした。 「瀬戸さん、今日の朝はすみません。あんなに変にじらしてしまって」 僕は自分の行動に対して謝ると 「別にいいですよ、答えたくないこともありますから」 僕は僕を許してくれる瀬戸さんに 「今日の朝の返事をしていいですか、好きなのかどうなのかの話し」 彼女はブランコをこぎ始め 「いいよ、私も気になるし」 ブランコのキー、キーとなる音と一緒に僕は朝の返事を話し始めた。 「僕はやはり瀬戸さんのこと好きです。最初初めて会ったときは阪奈人だなーと、思いましたがそれから毎日のように話していくと、とても二人でいる時が楽しみになり放課後の時間が待ち遠しく感じました。でも瀬戸さんが病気の話しをしてから、学校をやめたとき僕はとても心配になった。何をしているのか、体調は大丈夫なのか、僕は初めて人のことを心配しました。そして今日分かったんです、この気持ちのことが、それが恋だって言うことに」 僕は初めて出会った時から今に繋がるまでの話しをすると ブランコをこいでいた瀬戸さんは、ブランコをこぐのを止めて、足でスピード殺しブランコを止めて僕に 「君はやっぱり私のことを好きだったんだね、この間久しぶりに会った君の目から私は感じたよ。とても私を毎日考えてくれていたんだろうなって、だって君は私を見るなり目が死んでいたのに急に輝いていたんだよ」  瀬戸さんは離しながら目から涙を流していた。僕は瀬戸さんに 「僕と一度だけでいいので、恋人になりませんか?」 瀬戸さんはまだ涙を流しながら 「それはできないな、私はこれから死んでいく人、そして君は今から七十年以上の年月を生きていく人、そんな人が私と一緒になると私が死んだら君は悲しい思い出が出来てしまうでしょ」 彼女は泣きながら僕に 「ありがとう告白してくれて、とても嬉しいなーー」 瀬戸さんは泣いているのにその表情はなぜか幸せそうに見えた。 僕はにこやかな笑みを表情にしながら大きく息を吸って 「それじゃ瀬戸さん、これからも一緒に友達としていてくれるかな?」 「えぇ、これからも一緒に私が死にまでお友達でいてください」 彼女はそう言って僕たちは日が沈んでいく間ずっと公園のブランコに座って空を眺めた。
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