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第八章 二人の最後
僕と瀬戸さんで最後の夕焼けを見ながら僕が
「ここで死ぬと迷惑になってしまうね」
と言うと
「でも有名になるんじゃないの、ここで愛する二人が死んだってわかったら逆に恋の聖地になったりして」
彼女は笑いながら僕の肩に頭を当てて
「本当に私と心中していいの?」
「僕はいいよ、好きな女の子と一緒にいられるなんてこれより嬉しいことは無いから」
僕は瀬戸さんに言うと
「ねぇ、私の名前最後だし、下の名前で呼んで欲しいな」
「それじゃ、僕の名前も下の名前で呼んでよ」
僕たちはバカップルのように沈みゆく夕日を見ながら
「真白、僕は君のことが好きだよ」
「悠真君、私も大好き」
僕たちはそう言って沈んでいく夕日を正面におおよそ百五十メートルほどの高さから僕たちは抱き合いながら飛び降りた。
飛び降りて下に落ちていく間なぜかゆっくりと時間を感じてしまい彼女に
「見てみて、あの夕日綺麗だよ」
「本当だ、綺麗だね」
僕たちの会話はこれだけ最初の最後のキスをして目を閉じた。
そして数秒後、僕は死んだ。
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