エピローグ 1

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エピローグ 1

 《一昨日和歌山県で若い男女二人の遺体が見つかった事件で、警察は心中した男女両方の家宅捜索を行いました》  私は二人の心中事件の報道番組を見るとテレビを消して朝食の後片付けを行った。  あれは今から二日前真白が悠真君と出掛けるといって朝見送った後に夜になっても連絡は来ることなく、私は前に悠真君の家の住所を教えてもらったことがあったので、私は悠真君の家に行くと、そこに出てきたのは悠真君のお母さんだった。私は悠真君のお母さんに事情を話すと、すぐに家にあげてもらい悠真君が書いたと思われる置手紙を見るとさこには 『ありがとう今まで育ててくれて、そしてごめんなさい』 と書いてある手紙だけが残っていた。私は悠真君のお母さんにもしかしたらと言って二人で私の家に行き、真白の部屋に入るとそこには封筒が二つ置いてあった。私と悠真君のお母さんで中身を確認すると手紙が入っていた。私はその手紙を悠真君のお母さんと読むとそこには心中することが書いてあった。 『【お母さんへ】  まずは謝ります、ごめんなさい。私は何も言わないまま死んでしまって、私はもう一人は嫌なの、この先自分一人で死ぬのが怖くて怖くて毎晩泣いて、もういつ死ぬかわからない私は恋人であるはずの悠真君にお願いしたの。すると悠真君は優しく私に一緒に心中してあげると言ってくれて私は、本当はダメなんだと思いながらも弱い私は今日一緒に彼と死にました。本当にお母さん一人で育ててくれたのに何もしてあげられなくてごめんなさい。そして悪い子でごめん。もしも悠真君のお母さんに何か言われたら二十二時にメールが来るからって教えてあげてください。後はそれに書いてありますと』  私は悠真君のお母さんに謝罪をした。自分が悠真君に真白のお願いを聴いてあげてと言ったことで、悠真君をこの世からいない存在にさせてしまったことを。でも悠真君のお母さんは私に 「あの子が心から愛した人なんですから、いいんです謝らなくて。私はあの子が自分で決めた道をちゃんと行ったことで私は思うんです、ちゃんとリードしてあげられたのかな・・・」 悠真君のお母さんは泣きながら話し、私は二人の場所も分からないので、警察にも連絡しようにもできないので、二十二時送られてくるメールを二人で待つことにした。  気持ちが落ち着いたと思う頃にメールが三件送られてきた。悠真君のお母さんは私に 「来ました、メールが」 私はそう言われ、一つのスマホに二人で顔を近づけてみるとそこに表示されていた件名の三件中一件は、私宛てだった。私と悠真君のお母さんで今度はメールを読むとそこには 悠真君の最後の言葉が書かれていた。 『お母さん、急にいなくなってごめんなさい。そしてあまり僕は言うことは無いけれど、もしも怒っていないなら瀬戸さんのお母さんに謝ってください。あなたのせいではないと、自分で決めたことだったからと。僕はそれだけをとりあえず伝えておきます』 そして二件目は 『言い忘れてました、これから僕はいませんが父さんと仲良くしてください。僕は空の上からお母さんとお父さんのこと見てます。きっとお父さんには怒られると思うけれど。そして忙しいのにごめんね、高校も変な感じになって』 悠真君の最後のメールは終わり三件目の私宛てのメール。私はメールを見せてもらうとそこには夕日をバックに映る二人の笑った写真と、泣いているのか笑っているのかどちらかの写真、そして二人の居る場所の住所が乗っていた。私は自分のスマホで警察に連絡し確認してもらい、後はあっという間の出来事だった。遺体の確認や自殺のための家宅捜査などいろいろとあり今では少し寂しいが、私には悠真君のお母さん広子さんが近くにいる。そして私は広子さんと悲しみを分かち合いながら前を向いて進んでいる。
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