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ちなみに、サークルで一緒になってから分かったことだけど、静の下宿先は俺の住むマンションのすぐ傍――窓から部屋に明かりが灯っているかどうかも見えるほどの距離――にあった。
おかげで、歓迎会や親睦会などでも必然と帰路は同じ、俺が車を持っていることもあって、最近ではちょくちょく学校への行き帰りで拾ったりもしている。
その延長で、ご飯に行ったり、飲みに行ったり――も少しずつ増えてきて……とかやってたらまぁ、自然と親しくはなるよね。
だからって別に、それ以上何があるわけでもないんだけど。
ただ、他の人よりちょっとだけ仲のいい、学校――と、サークル――の後輩。
他の子よりちょっとだけ一緒にいたい――いて心地いい――と思える、年下の友人。
暮科静という男は、俺にとってそんな存在だったんだ。
……そう、このときはまだね。
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