18.夢の続きを【Side:見城将人】

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(静が、俺に……?)  プレゼント?  あれほど、何も持ってない、用意してないと言っていたのに?  俺からのマフラー(プレゼント)だって、「もうこれ以上貰えません」って……受け取ってくれなかったのに? 「開けるのはお帰りになってからの方がいいと思いますよ」  いまにも開けてしまいそうに見えたのだろうか。  くすりと笑みを深めながら、カウンターに置かれていたもう一方の袋を差し出してきた店員に、俺ははっとしたように頷いた。 「……そうだね。そうさせてもらうよ」  せっかく静が……あの彼が、俺のために選んでくれたんだもんね。ここはこの目で、ゆっくり確かめなければ。  ……なんて、実際には中身なんてもう何だって嬉しいに決まってるんだけど。 「ありがとう!」  俺は2つの紙袋をしっかり手に下げると、いつになく明るい挨拶を残し、急くように店を後にした。  *  *  あの日、静が俺の目の前で買っていたワインは、普通に自分用だと言って開けてはくれなかった。  まぁ、俺の立てていたプランを知って、そう変更したのかもしれないけれど。   だからちょっと、寂しいなぁなんて思ってはいたんだよね。  でも、それを口実にまた誘ってくれたらいいなぁなんて、淡い期待も抱いていた。  プレゼントは君の時間だけで十分だ。  そう思うのも嘘じゃないのに、心の奥底ではそれだけでは足りないと思っているのかもしれない。  だからって、そんなのはあくまでも俺の勝手な願望で……必ずしも実現しない想定で。これ以上、君から何かを貰おうだなんて、本気で思っているわけじゃない……。  なのに……なのにまさか、 (静が俺に、サプライズだなんて――)  自宅に戻り、着ていたコートもそのままに、俺はリビングのローテーブルに紙袋(それ)を置くと、半端にソファに腰を下ろした格好で、早速中身を取り出した。
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