18.夢の続きを【Side:見城将人】

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 *  *  *  (ゆかり)のあるイギリスのクリスマスは、恋人というより、まず家族で過ごすことに重きを置く風習がある。そしてそれは、現在両親が暮らしているアメリカでも変わらない。  だからだろうか。渡米してからは実家でも、だんだんとそれが当たり前みたいになっていって……特に俺が大学4年のとき、イギリス人であるおばあさまが両親との同居を始めてからはそれが顕著になった。  おかげで、そこからは二年連続で呼び戻されたりもして……。  だけど、俺としてはやっぱり日本のクリスマスを羨ましいと思うところもあって、大学生活をこっちで過ごしているうちに――周囲を見ているうちに――その思いはよけいに強くなっていたんだ。  だって少なくとも、日本(こっち)ではその日を誰と過ごすかって、結構重要なことだろう?  そう思えばこそ、俺だって最後くらいは、そんなふうに過ごしてみたいと思ったんだ。  例え恋人じゃなくても、俺の〝特別〟はいま、静しかいないから。  思えば静と出会ってから、クリスマスに思い浮かべるのはいつも君のことだけだった。  ……だからね。  今年のクリスマスは本当に幸せだったんだ。  俺にとって、何者にも代えがたい、たった一人の君(特別な相手)と一緒に過ごせたんだから。  ……と同時に、願ってしまった。   君も同じ気持ちでいてくれたらいいなって。  君にとっての俺も、同じように〝唯一(特別)〟であれたならいいなって。  きっとそれが、どこか叶ったような気でいたんだ。  あの日の静の様子から――あげく、あのプレゼント(サプライズ)で、それはある意味確信に変わったと――勝手にそう、思い込んでいた。  *  * 「え、帰省……するの?」  俺が前もって確認しておかなかったのが悪いのはわかっている。  こんな12月30日(直前)になって明日からの予定を聞くなんて、普段の俺なら絶対にしない。クリスマスのときだって、予定よりだいぶ遅れてしまったとは言え、まだ数日は余裕があった。
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