18.夢の続きを【Side:見城将人】

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 きっと彼のことだから、いつもお世話になっています、くらいの気持ちでプレゼント(これ)を選んでくれたに違いない。  現に付いていたメッセージカードは既存のもので、紙面にも〝for you〟としか書かれていなかった。  だけど、本当にそれだけなのだろうか。本当に、そこに別の感情はなかったのか。  だって少なくともあの日の君は……。  そんなふうに思ってしまうから、よけいに釈然としないのかもしれない。  俺はキッチンへと向かい、買い置きしていたナッツ類を少しだけ皿に入れて、グラスと共にそれらをリビングに運んだ。  ……分かってはいるんだ。  今更どうしようもないってことは。  そろそろ静も久々の実家でゆっくりしている頃だろう。なんだかんだ言いながらも仲のいい家族と、温かな家庭で、のんびりとした時間を過ごしているに違いない。  それはとても素敵なことだし、素晴らしいことだと思う。思うのに、 (でも……何も3日までずっと帰らなくても……)  なんて、なおも俺はそんな未練がましいことを考えてしまう。  あの様子だと、弟さんの怪我だって本当に大したことはないのだろう。だから急いで帰ることもしなかった。  それなら俺にも少しくらい、君の時間を分けてくれたって――。 (……俺は今回、実家(家族)より君を優先したのに)  そこで俺ははっとした。 「何、考えてるんだ……俺は」  そしてそんな自分が情けなくなる。  俺はこんなに心が狭かったのか。  こんなに自分勝手だったのか。  ……去年一緒に過ごせなかったせいでよけいそう思ってしまうのか。  2年前の今日のことを思い出す。  あれは俺が君に手を出す前のことだったけど、そのわりにすごくいい雰囲気だった。それこそ、まるで恋人みたいな……。  あんなふうに、今年も君と過ごしたかったんだ。最後に、もう一度だけ。 (……だからって、最低だ)  それこそ、ほんの数日前――あんなにも幸せなクリスマス(時間)過ごせた(もらった)ばかりなのに。  俺は密やかに奥歯を噛みしめると、やけになったようにグラスを煽った。
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