20.Epilogue

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 *  *  *  大学を卒業し、アメリカに戻ってから、三年の月日が流れていた。  再開した仕事は順調すぎるくらい順調で、幸か不幸か感傷に浸る暇なんてなかった。  帰った年の秋には、これまた望み通りにルームメイトにも恵まれて、それはもう何の不満もなく、充実した日々を過ごせていたのだ。  ……だけど、ふとしたことで頭を過ることがある。  自分で選んだ道に、後悔はない。後悔はないけれど、未練がないわけではないのだと、思い知らされる瞬間があった。  それでも前だけを向いて進むしかないのだと――そんなことは、誰に言われるでもなくわかっているんだけどね。  他人からはよく順風満帆な人生だと言われる。  正直自分でもそう思う。  だから俺も、そう信じて、そう自分に言い聞かせて生きていくしかない。  *  *  * 「――降板? あんなに喜んでいた舞台なのに?」  ルームメイトの驚く顔が忘れられない。  それを振り払うように頭を振って、俺は三年ぶりに訪れたその店のドアに手をかけた。
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