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Prologue1. ~出会い~
『ザア……ザア…………』
静かな細波の音。ポカポカとした砂浜。綺麗な海の景色。雲が無い青に染まった空───。
あまりの心地良さについ鼻歌をする青年がいた。
彼の名前はマイト・ダイナ。平和を愛する正義感の強い青年である。
「ふぅ……今日も良い天気だ」
「兄さーん!」
「ん?」
マイトの名を呼ぶ声の主はタイト・ダイナ。マイトの双子の弟である。
「はぁ……はぁ…………こんな所にいたんだ」
「どうしたんだよ、タイト。そんな慌てて」
「慌てるに決まってるよ! 兄さん、こんな所で何してるんだよ?」
「え?」
「今日は姫様の大事なパレードの日じゃないか!! こんな所でくつろいでる場合じゃないよ!」
「わ……わ……忘れてたああああああああああああああ」
マイトはタイトを置いて全力疾走で走り出す。
「あ、ちょっと! 兄さん! 置いて行かないでー!!」
タイトはマイトの後を追った。
<エルドフィリック王国 城下町>
「げっ! すげえ人の数!」
「これじゃ、パレード見えないよ……」
「あ、マイトさん! タイトさん!」
「あ! ヤッピー!」
ヤピラピ・クルーダ。マイトやタイトの親友の青年である。
「マイトさん! 何処に行ってたんですか! せっかく良い場所が空いてたのに」
「悪い悪い……すっかり忘れちゃって……」
「まったく……パレード行きたいってあんなに張り切ってたのに、寧ろよく忘れられましたね」
「ちくしょー……俺のバカああああああ」
マイトは自分の頭をポカポカ叩く。
「ちょ、ちょっと兄さん! やめてよ、恥ずかしいから!!」
すると、大きなブザーの音が鳴る。
「あ」
「パレード始まりますよ!」
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