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「ふふふ、私も誰かとこうして自由なお話が出来る日が来るとは思っていなかったので同じような気持ちですよ」
「あの……姫様」
マイトが訊きづらそうにアピナに尋ねる。
「どうかなさいましたか?」
「この後、帰られる時は……どうされるのでしょうか? きっとまた、お父様やお母様から厳しいお言葉を寄せられてしまうのでは……」
「それはいつもの事ですし、慣れているので大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」
「それなら良かったですが……」
「ところで……マドレーヌ様は、どのようにしてこちらに?」
「えっと……私自身にもよくわからないのです。気がついたら、あの浜辺にいて。起きた時にマイトさんと出会ったのです」
「僕たちも……昨日、マドレーヌさんと知り合ったばかりなんですよ。倒れていたので、なんとかして救出しようと試みて……」
「まぁ……勇気ある行動に感服致します。思いやりのある素敵な国民を持っている事に、姫として誇りに思います」
「……ありがとうございます」
マイトは、アピナに褒められて素直に照れて顔を赤く染める。
「マドレーヌ様も……意識が無事に戻られて良かったです」
「ありがとうございます」
すると、どこからか声が聞こえて来る。
???「姫様ー! どちらに行かれたのですかー!」
「!」
マイトたちはハッとして声のする方向に振り返る。
「ま、まずい! 兵士たちが追って来てる……」
「ど、どうされますか……?」
「兵士たちには捕まりたく無いですわね……お恥ずかしながら、勝手ではありますがご一緒させて頂けませんか?」
「で、でも……」
「お願い致します!」
アピナは深刻そうにマイトに頭を下げる。
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