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「(待てよ……王様も王妃様も、今はお出かけになられてるんだ。そんな状態で姫様が兵士たちに捕まったら何をされるか、わかったものじゃないな。あいつら、頭固い上に暴走したら止まらないからな。乱暴されてしまう可能性がある)」
マイトは考えた後、アピナの手を握った。
「!」
「姫様、逃げましょう」
「マイト様……!」
「今は呼び捨て同士の関係になるのはまだ早いかもしれません。ですが、僕も姫様と親しくなりたい気持ちはあります。そこはご理解頂けると幸いです」
「……はい!」
「逃げましょうか」
「そうですね」
マイトたちは足早にして、洞窟の中を去った。洞窟へ入った時と反対側の所から出て走って行った。マイトたちは、マイトの家へと向かって行った。
「……見つけたぞ。アピナ姫様」
マイトたちは何者かの背後の声に気がつく事無くそのまま前を進み続けた。
「着きました。こちらが僕の家です」
「まぁ……」
「お帰り兄さ……って、ええええええええええ!?」
タイトは予想外の来客に目玉が飛び出しそうなくらいに驚きを隠せない表情をする。一瞬、気を失いかける程だった。そして、それはまたヤピラピも同様である。
「ひ、姫様!? 何故こちらに!?」
「い、今お茶をご用意致します!!」
タイトは慌てて家の中へ駆け戻る。
「……騒がしい奴らですみません」
「いえ……とても賑やかですね」
「とりあえず、どうぞ中へお上がりください。何も無いところですが……」
「とんでもございません」
マイトは、アピナを家に案内する。アピナは椅子にゆっくりと座る。
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