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ここダスクは山の向こう側に帝都のある緑豊かな町で、空軍学校があるからか喫茶店や露店が多い。
人々もどこか穏やかそうで長閑な雰囲気がある。
「おばちゃん、いつもの!」
ハヤテはカウンターにいるよく肥えた女性にそう言った。
ただ座っているだけの俺に視線がチラチラと突き刺さる。
この派手な金色の髪のせいで、昔からいらぬ注目を浴びてきた。そのせいか、元からの性格なのか最早分からないが、俺は不必要な外出を避けていた。
この店に来たのも初めてだ。
「アル、お祝いだ!奢ってやる」
ニッと笑いながらハヤテはテーブルに高さ約七センチものハンバーガーがのった皿を置いた。
「……どうやって食うんだよ、これ」
「どうやってって、こうやって」
ハヤテは口をこれ以上ないくらい開けてハンバーガーに齧りついた。
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