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牛子
彼女の名は牛子。
見た目も動作も文字通り牛みたいな女だ。
付き合いだした頃は牛丼屋やファーストフード店やファミリーレストランで食事を済ます安上がりな女だと思っていた。
ところが、彼女のハンバーガー好きが高じて俺は焼肉屋通いに付き合わされ、果てはステーキの食べ比べをするべく高級レストラン巡りに付き合わされるようになってしまった。
で、凝りに凝ってベリーレアからベリーウェルまで焼き方を試す上、牛肉の部位にも拘ってサーロイン、ロース、ヒレなど高級な物しか食わなくなり遂にはシャトーブリアンじゃなきゃ駄目と駄々をこねるまでに至ったから俺の懐は逼迫した。
のみならず牛子のげっぷや放屁にも悩まされた。半端でなく臭いのも然る事ながら地球温暖化を促進する牛のメタンガスのように思えて金のやりくりより辟易して遣り切れなくなるのだ。
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