第1章【大天才と第三王子×ショタ】

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へいへい!!俺はとある田舎で医者になる修行をしとるメリっていうんやけど、大天才な師匠_ヘルス_のお使いで薬草を取りに来てん。 そしたらえっらい、血なまぐさいわ、けもの道が荒らされてるわで...まぁ...その...迷ってん、迷子の迷子の羊族さんやねん。 どないしよーっと思ってたら、まさかの匂いの元凶である獣人が血塗れで倒れとってん! しかもなんか知らんけど話しかけられたんやけど!? 怖すぎて逃げてもうたわ... 無我夢中で走っとったら、いつの間にか診療所に着いとったし...薬草も落としてきてもうたから先生にめっちゃ怒られてもうたし...ほんま散々やわあ。 そんでもって次の日、また薬草取りに来てん。 ほんでまたおってん。 なんでやねーん。 「小僧、忘れ物だぞ」 「ひぇ・・・ぁりがとぅ」 「怖がんじゃねぇよ。とって食いやしねぇ」 そんな事出来る体力もねぇしなと笑う獣人さん。 いやいや笑えへん笑われへん。 そもそもこんな田舎にどうやったらそんな血まみれになんねん。無言でビクビクしとる俺が言えた義理やないけどな。怖いわあ。 けど確かに見た目は死にそうな獣人さんに俺はついつい気を許して近付いてもうてん。 油断大敵。 気付けば俺は血塗れの獣人に押し倒されとった。 「ひぇええぇえええぇっっ!!く、食わんとってぇぇえええぇええ!!」 「うるせえ」 適当な雑草(たまに薬草)を引っ張って投げつけるがまるで効果がない。 いぃいいいいいぃぃいいいいやぁあああぁあぁぁああ!!!! 「うるせえって言ってんだろ!!!黙らねえとぶん殴るぞッ!!」 「ッ!」 ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ。 「動くな!!」 「・・・」 「いや、息はしろ!!真っ赤を通り越して真っ青じゃねえか糞が」 こんなつもりじゃ無かったんだが...と呟く獣人さん、俺にももちろん聞こえとったけどそれを理解出来ないくらいにテンパっとった。 うぇーん!! 「はぁ、おい」 「ひぅ」 「小僧、名前はなんだ」 「な、名乗ったら魔法少女にされる?何かを代償に魔法少女にされるんか!?いやや!!俺まだ魔女になりたくない!」 「意味わからねえ、いい加減言われたことだけに答えろ」 「メリですぅううう」 不可抗力や。 決して、ちびる3秒前の顔をされたからとかそういうんやあらへん。決して。
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