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「そうか、メリー」
「惜しい!伸ばしたあかん!!」
「お前が落とした薬草、あれのおかげで俺はだいぶ痛みがマシになった。感謝する」
「呼ばんのかーい!!」
もうツッコミ所多すぎやわ!!
そういえば昨日落とした薬草、貧血や痛みに効く薬草が多かったなあ...って獣人さん食ったんか?生で食ってもうたんか??
もう嫌や、なんやこの人ようわからん。
てか人やないな、獣人や。
獣人と俺らの違い、それは主に遺伝子の問題やったりする。獣人は獣_ケモノ_と先に書くように獣の血が濃いんや、そんで産まれた時は獣の姿やったり獣耳や尻尾があったりするんや。この獣人さんも見るからに獣耳尻尾があるから俺でもわかる。獣人さんや。
先生や他の住人は人族とほとんど変わらん。
顔の横に耳があってケツにはなんもない。穴くらいや。
ちなみに俺は半人前って感じの人族とは言い難く獣人とも言えん見た目や、しっぽや耳はないけど目が獣人のソレらしい、先生がいうっとった。
でも半人前は半人前。
体力も見た目も人族のソレと変わらんからな、せやから状況変わらんからな、血塗れの肉食獣人にホールドされてる状況は変わっとらんからな!!
「いいえー!!お礼には及びませんわあ!!はよ離してぇええええ」
「・・・どうしてやろうかなー」
「ひぎぇぇええええええぇぇぇ!!た、助けてせんせぇええええ!!!」
「____大天才と付け忘れていますよ、メリ君」
「ッ!」
「大天才先生!!助けてくださぁああああい!!食われるぅううう」
仕方ないですねぇ、そう言ったヘルス先生は指をパッチンと鳴らすと俺と獣人さんを浮かせた。
「ひっぐ・・・ぐすん、なんで浮かせんの?」
「そんな穢らしい姿に近寄られたくないからですね、帰ったら風呂、洗濯、歯磨きですよ」
「え、俺・・・口臭い?うそやろ」
「空中魔法、絶滅とも言われた魔法を簡単に使うとは手前・・・何もんだ」
その言葉に反応したヘルス先生は振り返り、見下すように見上げた。
「「何もんだ」?・・・フフフ、私_ワタクシ_は誰もが羨み!誰もが称える!天才を超えた大天才!!ヘルス・ドクァンダーとはそう!!私の事だ!!」
「おっと、喋るのではないぞ!知能指数が下がるだろう!よく聞きたまえ!私がどれほどの大天才なのかそのノミの様に小さな頭へ叩き込んでやろう」
呆れた顔をする獣人が口を開く前にヘルス先生の語りが始まった。
えらい長ったらしい説明やから省くで。
診療所...というには巨大な建物である此処は俺とヘルス先生...とたまにいる患者さんが住んどる。
ヘルス先生は俺を風呂場に投げ入れると、獣人さんを連れて奥の部屋に歩いていった。奥の部屋は治療室となっており、半分が治療器具、残り半分がヘルス先生の発明となっとって入った人は皆二度と行きたくないトラウマが生まれる。なむなむ。
血塗れの服を冷たい水で洗うが中々取れず、しゃーなし捨てることにした。もったいないなあ。
身体の隅々まで洗い(ケツの穴もちゃんと洗ってんで!)歯磨きを終えてリビングへ戻るとぐったりとした獣人さんがおった。
「ご、愁傷様ですぅうう」
「あ?・・・あぁ」
血塗れだった服も脱いだ獣人さんはここらじゃ見ない様な肉体美を嫌というほどに見せつけてくる...やめろや。なんも羨ましい事あらへんで。決して。
「___おっと、まだ居たのか?だが喋るな理由は省略するぞ」
「先生、どないしたんや?」
「メリ君よ、キミは!本当に!!運だけは天才級だね!」
珍しく俺を褒めるヘルス先生...なんや、怖いで ガクブル
「これで恩を着せれば研究機材がどっと増える!ふふふ、ふふははははは!!」
「先生の高笑いや・・・これは1時間くらい続くで」
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