第1章【大天才と第三王子×ショタ】

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今のうちに水持ってきといて、俺は退散しよ。 大天才で大変人な先生と肉食獣人に挟まれて生きた心地せえへんわ。くわばらくわばら。 「おい」 ヘルス先生の高笑いを遮る様に声を出したんは肉食獣人であった。 肉食獣人特有の威圧感に俺らがおる部屋の温度がだっと下がっとる。あまりの怖さにかヘルス先生も高笑いをやめてもうた。 「手前の口ぶりで俺が何者かわかっているようだが、何者だ?」 「ふむ・・・君は鳥頭かね」 「あ"ぁ?」 「なんだ、聞き取れなかったのか?どう言えばいい?鳥頭が分からないのか?東の小国で伝わることわざという物で、3歩歩けば鳥は忘れるというような意味だがそもそも頭の悪い鳥は少ないと思わぬかね?脳味噌は確かに小さいであろうが、それにしては鳥はズル賢くて頭も働くものだと思うのだ」 「ごちゃごちゃうるせぇ!!聞いた事に答えやがれ!!」 「ふむ、まぁこの事についたはまたの機会にしよう。東の小国へ行って調べてみるのもいいですし・・・で、何故私が知っているか・・・だったな。簡単だ、私が大天才だからだ!!」 「・・・」 明らかにイラつきを見せるよう、フワフワとした尻尾がパタンパタンと音を立てている。 そして、苛立ちを移し替える様に何故か俺を捕まえて押さえつけられた。なんでや!? 「通訳しろ」 「ひぇ!?せ、先生は本当に大天才やねん!医術師としての才能は勿論、一級魔術師の称号や発明家として世界に奇跡を魅せたっていうのもあんねん・・・」 「は?」 「えぇっと・・・賢者で医者で魔術師で発明家で教師で科学者で音楽家で芸術家でもある先生はほんまに!大天才やねん・・・です」 「まぁ全て5年ほど前に飽きてしまったがね」 だから私は此処にいるのさ!とまた高笑いが始まってしまったヘルス先生。
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