厨二病の日常

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厨二病の日常

閃光の光がボクを呼び起こす。まだ寝たりないのにこの光は覚醒を呼ぶ。 ボクがその光に抗うと漆黒の世界にいる母から咆哮が聞こえる。 「コラ!起きなさい!朝ごはんができてるって何度言えばわかるの!」 やれやれ……、この闇の賢者に供物を与えるために召喚の儀をしているのか、母よ。 ボクは身体を起こし身体の伸びをして闇のローブと制服に着替える。 そうして深淵の世界から漆黒の場所へ供物を食べに行った。 母はボクを見て大きなため息をついて「アンタ、もう高校生なんだからそんなゲームみたいな服装は止めなさい。女の子なんだからオシャレとか気を使って……」 母はあいも変わらず戯言をこの闇の賢者に唱えている。 ボクは闇の賢者だ、オシャレなどど言う工夫は必要はない。 「母よ、ボクにはそのようなものは必要ないのだよ。ボクは闇の賢者なのだから」 母はため息をまたついて「その『ボク』っていうのを止めなさい。ちゃんと自分のことは女の子らしく言いなさい」 ふふふ。母は何も分かっていない。この身体は異世界からの転生で元は男なのだ。身体は女、魂は男なのだよ。 さて、シャワーをあびて聖なるエネルギーを手に入れて闇の賢者であるボクの贄とするか。 そう思い、ボクがバスルームを開けるとそこには全裸の父が立っていた。 「きゃああああ!!!お、お父さん!いるならいるって鍵を閉めてよ!!!ビックリしたじゃない!!!」 「おお、綾子。おはよう」 「あ、綾子じゃないよ!ぼ、ボクは闇の賢者のアイレーンだ!」 「ハハハ、そうかアイレーンか。また名前変わったのか?」 「え!?あれ!?あ、ボクはレイチェルだ!」 そう言っても我が家は笑い声が絶えない。 ボクの闇の賢者の日常はいつも朝、壊される。
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