69人が本棚に入れています
本棚に追加
物語と同じ場所も存在するのかも知れないと考えてると今度は後宮を紹介されてしまった
後宮ってやっぱりあの大奥みたいな場所だよね?お姫様とか側室とか沢山住んでる場所
思った通りの説明をアリス王子もしてくれる、でも今は誰も居ないらしい
「行ってみよう」と少し足早になるアリス王子に着いていく事になったけど
「アリス王子大丈夫なんですか?!」
「だから誰も居ないって言ったでしょ?」
「そうじゃなくて‥‥‥」
「とは言っても僕も来たの初めてなんだよね?あ、開けてくれる?」
「はっ!アリス王子っ!かしこまりました!」
綺麗な建物の門の前で立ってる騎士さんに声を掛けると丁寧に敬礼されて二人がかりで門を開けて貰ってる。
いやいや、今なんて?
初めて来たって?
門の人達に手を振って中に入ってく姿に腕を組んでるから着いてくしかないんだけどなんて言ったのよ、本当に!
「アリス王子初めて来たって‥‥‥」
「うん、勿論」
誰も居ないのは本当なのか静まり帰ってる建物に私達の声が響く
広い廊下の真ん中を歩いてくと左右に幾つもの扉がある
沢山部屋があるって事?
真っ直ぐ進むと吹き抜けみたいに天上が高くなる
この階だけじゃないんだ‥‥‥上にも部屋があるの?
「あっ!噴水があるね」
吹き抜けの真ん中には円錐の座れる椅子みたいになってて中から水が出てる
使ってないと云うのに噴水の水は綺麗で濁ってない
「綺麗過ぎません?この場所もだけど全部‥‥‥廊下の絨毯も」
まるで掃除機掛けたみたいにゴミもなかったし埃もない
「定期的に掃除はしてると思うよ、臣下からしたらいつでも使えるようにって事らしい」
「いつでも‥‥‥」
そうか、王子が気に入った人とかお妃様候補とか出来たら必要な場所なんだ
「確かに前まではお見合いみたいな事を頻繁にしてたから少しでも希望がありそうな相手は残って貰う為に念入りにしてたっけ」
「‥‥‥‥‥‥」
「でも現王も使用してなかったんだから取り壊せば良いのにって思ってたんだよねぇ‥‥‥白雪さんどうぞ」
「え?あ‥‥‥大丈夫ですよ!」
気付いたらアリス王子は椅子に腰掛けててその隣には綺麗なハンカチーフが置かれてる。
それは胸のポケットに入ってた高そうなハンカチーフ?!
いや、王子様の物だから全てが高級だろうけど‥‥‥だからそんな物に自分のお尻を‥‥‥
「じゃあこっちに」
「ちょ‥‥‥アリス王子っ!やだ!重いです!」
「重くないよ」
「重いに決まってるじゃないですか」
「暴れると重くなるかも」
「え‥‥‥っ!」
「掴まえた」
最初のコメントを投稿しよう!