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アリスside
「なんで呼び出すかなぁ」
滅多な事では私情な時間に呼ばれる事はないし、それが出来るのは父上か母上だ
だからあの礼拝堂の扉が再び開くのは僕達が出る時の筈だったのに‥‥‥
白雪さんの可愛い告白に堪らなくて何度も唇を重ねてた、唇だけじゃなくて頬も目頭も額も‥‥‥向こうでは口付けをキスって言うから言葉が可愛いよね?なんて幸せな時間を過ごしてたら扉が開いた
「アリス」
「母上ならまだ解るんだけど‥‥‥」
「聞いてるのか?聞いてないな?」
「このタイミングで父上からとは‥‥‥本当についてない」
「アリスっ!」
ドンっと重い音が響く
父上が持ってる杖が床を叩く
「聞いてますよ」
「タイミングとはなんだ?」
「そんな事言ってませんよ、それより呼び出した理由は何ですか?」
気になるのはそこ?と思ったけど父上はかなり知らない事に好奇心が旺盛な人だ
僕の身に起きてた出来事や白雪さんの事を話したら驚喜しそうだけ話さなくて済むならこのままでいたい。
僕と白雪さんだけの秘密‥‥‥まぁ幼馴染とごく一部は知ってるけど今は数に入れない
もし婚約者としての立場が難しくなってきたら協力者になって貰わないといけないから話すけど
「舞踏会の事だ」
「中止に?」
「そんな事はもう出来ないとアレを見てれば解るだろう?」
舞踏会は本来の目的は僕の妃選びだ
どの相手にも興味を示さなかったから相手を婚姻可能の年齢の女性なら貴族や市民関係なしに招待状を配ると云う暴挙に母上は出た。
そんな事をしても意味ないのにと思いながらそろそろ身を固めなくてはと思ってた矢先に彼女と再会した。
舞踏会を中止にする事は出来ないと母上に何度も言われたけど白雪さんには僕の隣に居て貰いたいと打診していた
母上は婚約者としてお披露目すれば良いと言ってたけど白雪さんの気持ちを無視して無理やりは嫌だったからせめて集まる令嬢に僕の意思だけでも印象付けたいと思ってたけど‥‥‥うん、婚約者としてでも許してくれそうだよね?それなら凄く嬉しいんだけど‥‥‥
「アリス‥‥‥お前大丈夫か?」
「え?」
「はぁ‥‥‥顔が緩んでる」
「そうですか?元からこんな顔ですよ」
「いや、あの様に覇気のない顔も困るが政治面ではいつものアリスでいてくれ、頼む」
いつもの僕ではなく誉められる第一王子を演じる事
「それは大丈夫ですけど‥‥‥今は凄く不機嫌ですし父上と二人なので許して下さい。それで舞踏会がどうかしたんですか?」
「あぁ、あまりにも参加者が多くてな。一夜では難しくなりそうなのだ。それとお前が妻にしたいと言ってた者なのだが一度私達に会わせてくれないか?」
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