69人が本棚に入れています
本棚に追加
アリスside
「アリス王子?」
「ごめんね?急に用事が出来ちゃって」
白雪さんはバルコニーから外を見てたけど僕に気付いて直ぐに駆け寄って来てくれる
その身体を自然に抱き締めると遠慮がちに身を寄せてくれるから堪らない
「ううん、王様からだったんでしょ?」
「うん。それで白雪さんお願いしなきゃいけない事があるんだ」
「お願い?」
「王様‥‥‥とその近しい者に顔を見せて欲しいんだ」
「近しい者?」
頷きながら即する様に白雪さんをソファーに座らせてその隣に自分も座る
「元老院って知ってる?」
「読んだ事ある本の知識だと王に対して助言機関を兼ね備えてる人達だと」
「知ってるんだ、凄いね」
「向こうの世界の政治家達の仕組を古代の言い方に変えただけだよ?ほら、物語が好きだから色んな世界の話を読んだり歴史を遡ったりしてたから」
「そうだよ白雪さんの知識ってかなり貴重なんだよなって改めて思うな」
「別に‥‥‥ただ読んで知ってるだけだよ?」
その知識が如何にこの世界で役に立つか白雪さんは知らないだろう
僕は向こうの世界で沢山の知恵を授かったと思ってる
全てが発展した国で過ごしてた白雪さんはこの世界の向上には欲し人物だ
「ねぇ白雪さん」
「何?」
「この国の聖女にならない?」
「は!?」
「聖女知らない?」
「‥‥‥いや、そりゃ知らなくはないけど‥‥‥はぁ?!」
「驚きすぎ。好きな言葉だと思うんだけど聖女」
「それは好きだよ?聖女なんてそんな職業向こうにはないもん。巫女さんはいるけど‥‥‥ちょっと違うし」
「僕としては救世主とかの方が言葉的には合うかと思ったんだけどそれは可愛くないなぁって救世主だと」
「救世主‥‥‥アリス王子、ちょっとさっきから話が見えないんだけど!」
困惑した顔を近付けられるとそのまま引き寄せたくなるけど我慢我慢
まぁ救世主も聖女も同じ様な意味合いな存在になりそうだから白雪さんの好きそうな言葉と、この国の聖女が第一王子の妃になるって事が元老院や民衆に受けると思う
「古い考えを持ってる人間ってね、結果を見せつけないと中々新しい事柄を受け入れないんだよ」
白雪さんに舞踏会が二夜行われる事も説明する、その理由は単純に参加者が多くなったわけじゃなく婚姻に乗り気じゃない王子が好きな相手が出来たらしいと親族に触れ回って色々な貴族や臣下達の年頃の令嬢が増えた事、それに加えて平民も受け入れる事にしたから円滑に進む様に分けたと話す。
貴族となると平民と同じ舞踏会なんて許せないと言う気位が高い令嬢も多い
きっと一夜を平民、二夜を貴族の方向で進めるだろう
「二日も舞踏会を?」
「まぁ毎日お茶会を開催してる家もあるからね」
「じゃあ私は一日目だけ出れば良いって事?」
「白雪さんは二夜は気にならない?」
「‥‥‥‥‥‥」
「きっと元老院達からしたら二夜が本当に僕の相手を見極める時だと思うよ‥‥‥その時に居てくれないの?」
最初のコメントを投稿しよう!