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「一応‥‥‥舞踏会のドレスを何着か選んで貰おうかと‥‥‥お気に召さなければ新調しても良いと許可を戴いたので城の専属の洋服店に行こうかと」
「では今日は一人で過ごします」
ドレスなんてまだ着てない服がクローゼットに何着もあるし、ましてや新調するなんて‥‥‥。
「あの‥‥‥」
「ごめんなさい。ちょっと色々考えたいんですお妃様から何か用事があったら声掛けて下さい」
「わかりました‥‥‥外に控える侍女を戻しておきますので何かありましたら」
そう言ってレラさんは部屋を出て行く
心が狭い奴だと思い知る
レラさんは多分悪くない‥‥‥でも何だか見せつけられた様な気がする
一匂わせ女が一番タチ悪いのよね?元カノなら未練がある相手の恋人に意地悪したり過去の彼の優しさをアピールしたりするのもわかるけど‥‥‥幼馴染とかが厄介者。向こうにその気がなくても信頼関係とか歴史をグサグサ心に刺さるのよ~彼もさ、彼女は幼馴染で妹みたいな存在だから気にするなっ!とか言われてもねぇ~まぁ白雪には分からないだろうけど一
「何となくだけど解るよ梨子」
元彼の妹がウザすぎて別れた時に酔いながら私に語った元同僚
彼女にその気があるかないかは別として今の私はレラさんと仲良く行動は出来ないし、きっとさっきみたいに全部裏目に出て謝らせてしまう事を想像したら一人で居た方が良い
一ドレスを新調する許可を戴いた一
「‥‥‥‥‥‥」
それもきっとアリス王子だよね?
駄目だ。こんなに器の小さい女が聖女なんてなれるわけがないっ!
「やっぱりお風呂は今日から一人に戻して貰う事にしなきゃ」
一人になったは良いけど部屋の中では何もする事がない
アリス王子は急がしいのは知ってるけどお妃様のから何か用事があれば良いんだけど
どうしようかな?
勝手に出るにしても城の中にでも扉に控えてる侍女達がついてくるだろうし城の外なんて頼んでも無理‥‥‥バルコニーからは綺麗に管理された造形空間が広がる
お城だから庭師みたいな人が何人も居るんだろうな‥‥‥と思ってると近くの樹木の傍に青年が居る。庭師にしては若い様な気がするけどそれは向こう世界は全般的に年配が多いだけでこっちは普通の事かも
‥‥‥でも何も持ってないのよ
普通道具とか持ってるんじゃないの?
よく見るとやっぱり変だ、だって土とか弄る事もあるなら手袋とか長靴とか着用するのにあの人は手袋はしてないし履いてるのブーツみたいな踵が高い‥‥‥まぁ靴はそれでもありかもだけど
さっきから樹木から離れないと言うか動いてない?
寝てるとかなら‥‥‥でも体調が悪くて動けないパターンもあるし
「よし」
怪しいし心配だし暇だからちょっとバルコニーから身を出して声を掛けてみる事にした。
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