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「どうした?」
「‥‥‥とりあえず貴方だ誰か知らないし男娼を買うつもりもないし部屋から出て行ってくれない?」
勿論、来た場所からとバルコニーを指差す
「嫌だ。今出て行ったら見つかる」
「仕事をサボってたんじゃないの?」
「お前、さっきから話す言葉が違う時ないか?」
「‥‥‥‥‥‥そんな事ないと思います」
「急に畏まったな」
「とにかく貴方が見つかっても私には関係ないから」
「嫌だって言ってるだろ」
「‥‥‥‥‥‥」
どうしよう?
これって本当に叫んだ方が良いの?
この人本当に出て行くつもりなさそうだし‥‥‥見つかるって隠れてるの?
そもそも誰よ?
この俺様な奴‥‥‥城の人じゃないの?
でもよく見ると服装は豪華かも‥‥マントが真っ黒だけど裏は刺繍とかあるし‥‥‥
「ふふ‥面白いなぁ‥‥お前、本当に姫じゃないんだな」
「は?」
「お姫様なら庭に居る変な奴に声は掛けない、城の人間を呼びもしない。得たいも知れない奴の身体を気遣うとか‥‥‥お人好しか」
「な‥‥‥」
「変な話し方するし男を買う方法も知らない‥‥‥一体なんでここに居るんだ?」
座ったまま脚を組み直して首を傾けて聞いてくる
それってもしかしてカマかけられたの?
男の買い方って‥‥‥やっぱりそりゃ違うよね!?でも知らないから下手な返答は出来なかったし‥‥‥くそぅ‥‥‥叫ぶのが正解だったのね‥‥‥どうしよう?
一体なんでここに‥‥‥って今結構胸に刺さる言葉なんだけど本当の事は言えないし
「そっちこそ!呼ばれたら困る立場なんでしょ?」
「あぁ、困る。今は逃げる事が出来ない」
「出来るわよ、ここから出れば」
「あのまま敷地内に居たら捕まる可能性が高い。なら部屋の中に居て魔力の回復を待った方が賢明な判断だと思うだろう」
「魔力?」
「そうだ、そうすれば身体ごと移動出来る」
「テレポーテーション?」
「‥‥‥お前、本当にどこの国の人間なんだ?」
「あ‥‥‥別にいいでしょ!貴方に関係ないじゃない。それより‥‥もしかして魔法使いなの?」
よくみればマントとかブーツとか被ってる帽子もそれっぽい
異世界なんだから居てもおかしくない存在だよね?シンデレラの物語では結構なキーマンなんだから
「そんな緩い呼び方は嫌いだ」
「は?」
「師匠達は『魔法使いさん』なんて呼ばれて笑顔で接してるけど俺から言わせれば魔術師なんだ!」
さっきまでの俺様態度が急に中学生みたいに不機嫌な言い方‥‥‥反抗期みたい。
でもどうやら言葉から察すると魔法使い(魔術師)らしい
「貴方も魔法‥‥‥魔術師なの?」
危なーい、機嫌損ねたら更に面倒なんだから言葉をちゃんと選ばないと
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