69人が本棚に入れています
本棚に追加
窓から入る日射しがアリス王子を照すと黒髪が少し茶色に見える
どんな仕事をしてるのかわからないけど書類の束が尋常じゃない
私が来るとお茶を出してくれたり話し相手になってくれてるからきっと邪魔してるんだろうなぁ
「‥‥‥‥‥‥」
それでもアリス王子は自分も息抜きになってると優しい言葉を掛けてくれた
「白雪さん」
「あ、ごめんなさい」
ヤバイ
思わずずっと見つめてしまってた
だってこれでも息抜きって普段どんなスピードで仕事してるんだろうって思うじゃない?
「何で謝るんですか?僕は白雪さんに見られて嬉しいんですから」
「アリス王子こそ敬語‥‥‥」
「そうですね、お互い気をつけましょう?所で見つめるくらい暇にさせてしまいましたね?」
「う‥‥‥違‥‥‥」
上手く話を逸らせたと思ったのに戻された。
でも暇だったからじゃなくてなんだろう?
「アリス王子を見てると安心するなぁ~って。やっぱり自分の元居た世界を知ってるって大きいんですかね?」
王子は私の世界を知ってる
しかも同じ会社の経理課で働いてた
私とこの世界で再会するまでは寝る度に向こうの世界の同じ顔の人物と世界を交換してたけど再会してからは寝ても向こうには行けなくなったらしい
アリス王子曰く「運命のお姫様に出逢えたからかな」って王子様そのものの台詞を言われたけど
「安心だけ?」
「あ‥‥‥う‥‥‥」
「二人っきりなのに安心されるとちょっと傷つくかな」
「そんな風には見えませんし直ぐ外には人居るじゃないですか」
「そうかなぁ~でもお兄さん的な安心じゃなければ嬉しいんだけどね」
「アリス王子はお兄さんじゃないですよ」
「それは嬉しいな」
「‥‥‥‥それに‥‥アリス王子は私が嫌がる事はしないと思う」
優しい笑顔にドキッとした
そうお兄さん的な優しさじゃなくて包まれる様な安心
「ダンスのレッスンも?」
「それは后様がヤル気満々で」
「でも僕も白雪さんと踊るの楽しみだよ?それは嫌じゃない?」
「それは‥‥‥嫌じゃないです‥‥‥多分」
確かに強制的なレッスンだけどそれは嫌じゃないかも
相手はアリス王子だし
「白雪さん」
「うわっ‥‥‥」
「練習に戻りましょうか?」
「へ?」
気付いたら目の前に手を差し出してるアリス王子が居た
座ってる私は必然的に少し顔をあげると優しい笑顔目の前に広がる上に手を取られるって‥‥‥なにこの構図!!
「僕も一緒に練習したくなりました」
「えっと」
「パートナーは僕しかいないんだから一緒に練習しましょうね?」
「‥‥‥はい」
その笑顔に頷かないなんて出来るわけがなかった
最初のコメントを投稿しよう!