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アリスside
この頃よく眠るようになった
その時間はドンドン長くなって何時しか次元まで越えてしまったんだ
セレナーデ国の第一王子の僕
他に王子は居ないからいづれこの国の王になる、そうなると世継ぎも必要
まぁその前にお妃なんだけど‥‥‥僕はどうやら女性が苦手らしい
だからと言って男色なわけでもない
王族だから色々教育を受けて来たから女性は家柄や器量、後ろ楯を重視する事
だから恋愛感情なんて必要はないと教えられて来た
事実、縁談相手も僕という人物ではなくその背景にある妃だけをみていた
皆綺麗に着飾ってても狙ってるのは僕の隣の席だ。
色仕掛けで言い寄られたりする時も多々あって女性の香水の匂いも拒否反応を起こす様になった
幼馴染みの年下の王子には「もっと割り切れ」って言われたけどそんなの無理
王子としての責務に疲れて何処か違う世界に行きたいと思う様になったある日僕は本当に異世界に飛ばされた
ただし、寝ている間だけ
しかも僕本人ではなくその世界の僕そっくりの人間と入れ替わるという変な仕組だった。
最初は慣れない世界で戸惑いもあったけど僕の代わりにセレナーデに飛ばされた三宮有栖って人物とうまく情報を交換してなんとかなった。彼は異世界の事を良く教えてくれたけど僕がセレナーデの事を話そうとしても大体分かってると基礎的な人物だけで把握してた。
何でだろうと思ったけどその理由は飛ばされた世界で知る
「……セレナーデは…物語なの?」
思わず三宮有栖が勤めてる会社の資料室に置いてあった本を偶然手に取って読んだからセレナーデの話そっくりの話が書いてた。
他にも幾つかの物語があって幼馴染みの王子の話にも似てるのが書いてて余計に確信した
衝撃を受けたけど自身も世界を飛んでるからそこまで落胆はしなかった
反対にこの三宮有栖の世界は向こうでは物語として存在してはいない
「シンデレラか‥‥‥うわっ!」
衝撃より物語なら先がある、気になって読んでると相手の名前が出てくると当時に何かがぶつかって来て倒れてしまう
フワッと香る良い匂いがした
「ごめんなさいっ!人が居るとは思わなかったです!すみません!」
「‥‥‥‥‥‥」
押し倒された様に僕の上に長い黒髪がサラサラと流れると声の人物と目が合った
その瞬間の事を僕は絶対に忘れない
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