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アリスside
「うー‥‥‥でも名前は‥‥‥やっぱり‥‥‥アリス王子?‥‥‥王子?」
「あ‥‥‥ごめんちょっと思い出してた」
「何を?」
「白雪さんに振られた時の事」
「え‥‥‥」
「ごめんね」
慣れない踊りを一生懸命踊ろうとする白雪さんの動きが止まりそうになるのを手を引いて続けさせる
ちょっと怒ってるのか頬が膨らんでてそれがまた可愛い
「もう‥‥‥」
「理由がシンデレラの王子様が好きだから‥‥‥だったよね?」
「それは‥‥‥」
「逆に考えると告白されたような気分だよね、今考えるとまた」
「もうっ!踊りに集中っ!」
「はいはい」
一ごめんなさい。私…シンデレラの王子様がタイプなので一
振られてから思い出す物語
白雪さん、それは僕だよ?って伝えたかった
その相手が自分の世界に現れた
そうなったら絶対に振り向かせたいに決まってるじゃないか
「終わるよ」
「はぁ~疲れた‥‥‥」
伴奏が終わって白雪さんが僕に聞こえるくらいの小さな声でため息を吐く
どうしよう‥‥‥凄く抱き締めたい
でも母上やら人が多すぎるし我慢しないと
それに‥‥‥きっとまだ心の中には彼がいる
焦らない様にゆっくりと僕だけのお姫様になってもらう
「上出来よ!アリスも暫く稽古してなくても大丈夫そう!」
「なら舞踏会までの踊りの練習の時間は削っても良いよね?」
「コイさんの?」
「そう、僕と過ごす時間にして欲しいんだ」
「まぁ!それなら承諾しない理由はないわね!コイさんアリスとの時間を増やしましょうね!」
「あの‥‥‥」
「母上、コイさんは白雪って名前が本当なんだよ」
「アリス王子?!」
「白雪姫って可愛い名前でしょ?」
「良いじゃない、本当は母上でも教えるの勿体無いと思ったけど舞踏会までには知らせないとね?」
舞踏会にはあのシンデレラもきっと来るだろう。白雪さんに再会してから城の者にシンデレラの様子を逐一報告して貰ってる
相変わらず色々なお茶会や舞踏会に参加してるらしいが決まった相手は見つかってないらしい。
前に会った時は物語で読んでたシンデレラとは全く違くて本当に運命の相手だったらどうしようと悩んだくらい権力を欲しがってる印象が強かった
僕には本当の運命の相手がいるってちゃんと教えておかなきゃいけない
「アリス王子!なんで名前を言っちゃうんですか!あの后様に知れたら城の皆が知っちゃいます」
「うん、楽だね」
「アリス王子!」
「だって白雪さんって素敵な名前をいつでも声に出したいんだん」
「もんって!そんな可愛く言っても‥‥‥つ!」
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