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アリスside
吸い寄せられる様に頬に手を当てると紅い顔が更に紅くなる
今は執務室に戻って来て二人だけ
外に控えの者が居たとしても余程の事が無い限り王子の部屋には入って来ない‥‥‥例え白雪さんが叫んだとしても入って来ないだろう
手を当てた頬と反対の頬に軽く唇で触れると白雪さんの肩が少し震えた
その肩を優しく撫でると俯いてしまう
どうしよう‥‥‥少しでも抵抗されたら離れようと思ってたのに
そんな可愛い反応をされてしまうと攻めたくなる
「白雪さん‥‥‥好きです」
「‥‥‥っ‥‥‥」
「ここにしてもいいですか?」
白雪さんの真っ赤な唇に親指で軽く触れるとそのまま左右に動かしてしまうと勢いよく身体を離された
良かった‥‥‥うん
「それはっ駄目です!」
「今は駄目って事だと受け取るね?」
「‥‥‥ァリス‥‥王子‥ってば」
その柔らかい唇に触れた指を無意識に自分の唇に当てる
舞踏会までにその心の中の存在を消してあげる
君の本当の王子様は誰なのか思い出させてあげるから
「アリス王子あれは?」
「あれは牢獄」
「え?」
「嘘‥‥‥って言いたいけど昔はそういう場所だったらしいよ」
白雪さんが指差したのは西側の高い塔だ
あれから踊りの練習を減らして仕事の合間に僕は白雪さんを城の色んな場所を案内してる。本当は城下にも連れて行ってあげたいけどお披露目前出し何かあってはいけないと判断した。
『アリスの婚約者となる人なんだから肩書きがしっかりしてないと城下は危ないわ』
母上の言う事も最もだ今の白雪さんは本当に良い意味で何もないから狙われる可能性もある。例えばセレナーデ国の王妃の座を狙ってる貴族とか、僕の婚約者だとなれば余程の事が無い限り手は出せない。
まぁ婚約者も色々危険だけどね
「アリス王子あの奥は?」
「あれ?」
「うん、何か門が綺麗」
日にちが経つ内に白雪さんは良く眠れる様になってると侍女から聞いた。
最初の方な顔色も悪い時も有ったけど今は健康的な色白の肌だと思う
それに‥‥‥転んだか危ないから腕を組む事をお願いしてたんだけど最初は恥ずかしがってだけど今では言わなくても腕を組んでくれる
それが嬉しくて頬に口付けをすると恥ずかしそうに頬笑む
自分でも思う
そろそろ限界だなって
「あれは後宮だよ」
「後宮って‥‥‥」
「そう、王様のお妃様や側室になる人達が住む所」
「そうか‥‥‥あそこかぁ」
「でも、あそこも使ってないよ?行ってみよう」
「え?!ちょっとアリス王子」
白雪さんの腕を強く引いて今は誰も居ない後宮に僕は彼女を連れて行く
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