触れるのはキスまで

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「あんまり木虎をもて遊ぶのはどうかと思うよ」 『え』 数日後の放課後、図書室で一緒に勉強をしていた友人か呟いた 『もて、遊ぶなんてそんな』 「事実でしょ」 唯一私達のことを知る彼女は、同じ元バスケ部で私と木虎さんのやり取りを知っている 「もう1年でしょ?ノーでもイエスまでなく《分からない》で濁して答え出さずにズルズルと」 『う゛』 「実際、諦めるでもなくかと言って強引に押し倒すでもなく我慢してきたあの子はある意味変態だよ」 『変態?』 「あんたもだよ、付き合ってもないのにキスは許すなんてこの変態」 『変態?!私が?』 「そうだよ、で?もうすぐ卒業だよ返事しないの変態」 『変・・・・だって、分からないから』 「・・・・」 私の優柔不断な言葉を聞いて、友人は木野下さんはため息をついた。 「答えを出して傷つけるのも、答えを出さずに傷つけるのも同じ事だと思うよ」 『分かってる』 そうだけど仕方ないよ、木虎さんのことは好きだ けど愛じゃない 私は誰も愛せない 《お前は俺を好きじゃない、ただ俺がお前を好きだと言ったから付き合っただけだ》 中学の時に付き合っていた彼に言われた言葉 《お前はお前を好きな相手なら、誰でもいいんだろ・・・・酷い女だ》 《お前は誰でもいいから愛されたいんだよ、お前は誰も愛さないのに》 この言葉が未だに私の胸の奥にある あの頃と今の私は何も変わっていない
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