酷い女

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酷い女

冬になり卒業式まで後1週間、私は無意識に部室に向かった。 「わっ!鴻上先輩だ!!」 私が部活に入ると着替え終わった2年の後輩が飛びついてきた。 「先輩おひさー」 ベンチでスマホを触っていたもう1人の後輩も操作をやめてスマホを鞄にしまった 「先輩!もう卒業しちゃうんですね!寂しいです!」 「そうですよ~寂しいから卒業してもOBとして練習見に来て下さいよ~」 『うん、時間が空いたら絶対来るよ』 「本当ですか?約束ですよ?!」 『うん時間が空いたらね』 「時間空いたら絶対ですよ~」 『うん』 ありがとう、私を慕ってくれるこの2人が大好きだ この部活のメンバーはみんな仲がよくて居心地が良かった まるで綺麗な水槽の中にいるみたいで、思いではキラキラしたモノばかりだ 誰も溺れることなくキラキラ輝いている 出来ることなら人も思いでもここで綴じ込めてしまいたい 『部活頑張ってね』 「先輩ー!!寂しいです」 「本当ですよ~今日は部活サボるんで私達と遊んで下さ~い」 『いやサボリはダメだよ』 なのに、どうしてなの? 《先輩、好きです》 恋じゃないといけないの? 《お前は誰も愛さない、酷い女だ》 私は愛せないのに、どうして・・・・こんなにも貴女のことをずっと
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