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校舎を捜し廻った末にたどり着いたのは図書館、私はその中で貴女を見つけた
『木虎さん』
私に背を向ける形で外を眺めていた貴女は、私は声で振り向いて柔らかく笑ってみせた
「今日でこの校舎も見納めですね」
『うん』
「卒業、おめでとうございます」
『ありがとう』
「鴻上先輩、今日で最後にします」
『うん』
答え出さないといけない
今日で最後だ
答えを・・・
『1年前、私に好きだって言ってくれたのもここだったよね』
「はい・・・覚えて、くれてたんですね」
『それから1年間ずっと私が好きだった?』
「はい」
『今も好き?』
「・・・・分かってて言っています?」
また綺麗な瞳から涙が零れる
私は泣いてしまった木虎さんに歩み寄ると、ハンカチを出してソッとその涙をふいた
『泣かないで』
「鴻上先輩、好きです」
『泣かないでよ』
「優しい先輩に恋をするのかおかしいですか。女が女を好きになるのはおかしいですか・・・・もう、自分じゃ達観できないとけこまで来てます」
貴女はハンカチを持つ私の手に触れて泣き続ける。
「だからどうかこの手で」
『木虎さん』
「貴女の手でこの恋を殺して下さい」
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