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一度自室に戻った洋輔は静かに眠る妻を片目に見つめてから先程の術式が書かれたお札をポケットに入れてからふと、今からやろうとしてることに疑念ともしやと考えて一度彼女の頭を優しく撫でて聞こえないような囁き声で言った。
「僕に何か起きたら後頼んだよ…」
一方、影蠹は漸く神社付近まで近づいたときさっきまで何も感じていなかったのに妙な禍々しさを放っていた。
体には異様な寒気を味わっていた。
「くそ…夏なのにさむ…い…」
けど弱音を吐いたのはそこで終わった。
「霧蠧が大変なことになってるかもしれないのに…俺が弱音吐いてちゃ兄失格だよな!」と言ってから、また短くて長い道をまた走り駆け抜けていった。
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