その① カズヨシ

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遊ぶと行っても高校生なので、ファミレスやカラオケに行ったりだ。 四人で遊んでいる時、さっき早々と去って行ったカズヨシの話題になった。 「あいつ男前だよな!」 「男前だな」 ファミレスでストローでジュースを飲みながら、コウタロウとソータが言った。 「うん、カッコ良かった!男前!」 アユも言った。 「イケメンだったよね」 私も言った。 その言葉に嘘はなかった。 だけど。 この時は初対面だしシンプルにカッコイイと思ったが、後々私達は付き合うことになり、当たり前だが別れることになる。 別れた後は最悪な印象だったし、付き合って近くで見るとそこまでカッコ良くはなかったので、この時は恋のフィルターがかかっていたと思われる。(最低) それに、私がカズヨシをカッコイイと思った理由は、“ボクシング”だ。 彼が先に帰った理由は、どうやらボクシングの練習に行くからだったようだ。 それをコウタロウとソータから聞かされた私は、“ボクシング”という高校1年生にはカッコ良すぎる響きに、思わずうっとりしてしまった。 何にせよ運動神経ゼロの超がつくほど運動音痴な私は、とにかくスポーツをしている男子に弱いのであった。(それは今も変わらない)
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