第12交差点 ふたり寄る夜

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 窓からの明るみで目が覚めた。  いつの間にか、布団の中で眠っていた。 「あ…? 樹深(たつみ)くん…?」  この布団は、樹深(たつみ)くんが寝室から運んできてくれたに違いなかった。  私はいつまで、樹深(たつみ)くんにもたれ掛かっていたんだろう。  樹深(たつみ)くんが包んでくれていた手を、そっと握りしめた。  感触を…まだ覚えている。 「樹深(たつみ)くん」  返事はない。  ダイニングテーブルに、昨夜は無かったレジ袋が置かれているのを見つけた。  その横に、メモが置かれていた。  この紙、見た事ある。樹深(たつみ)くんが歌詞を書き留めておくのに使っている、ノートの切れっ端。  よく眠ってたね。  これから仕事があるので、いつものモーニング食べてから行きます。  ごはん、適当に買ってきた。食べられそうなら食べて。  ゆっくり、元気になりな。  袋の中には、おにぎりやサンドイッチ、ドリンクが入っていた。  まだ…喫茶KOUJIには顔を出せそうにない。  私は、樹深(たつみ)くんの気遣いを有り難く頂戴した。  昨日は…日曜日だったんだな…  樹深(たつみ)くん、日曜日も歌う事にしたんだろうか。  そんな事を考えながら…樹深(たつみ)くんが買ってくれたおにぎりを、少しずつかじった。 …
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