第13交差点 未知の鼓動

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「久しぶりだねぇ、この構図(笑)」  マスターが私達にモーニングプレートを差し出して、コーヒーを淹れにまた奥へ引っ込んでいった。 「フフ、ほんとに。いつ以来? もう…ひと月以上前だよねぇ」 「う、ん。そうだよね。あの、樹深(たつみ)くん。あのさぁ」  樹深(たつみ)くんに、お礼。 「イッサ、金曜、聴いてくれてありがと。途中で行っちゃったけど(笑)」 「え? あ、うん。ごめん。ちゃんと聴いてたよ。  それで、あのさぁ」  早く言いたいのに。 「最近、どうしてた?  俺ね、日曜の夜も歌ってるの。織田桐さんとこにも、しょっちゅう話しに行って…そうそう、さっきもね、会いに行ってた。  イッサに逢ってない間、いっぱい場数踏んでね、色んな事を見て…」  どんどん言葉を被せてくる、樹深(たつみ)くん。 「あの、だから…  …もうっ!  樹深(たつみ)くん! 自分ばっかりで、私の話を聞いて?  私、もう大丈夫だよ。元気だよ。  みんなみんな、樹深(たつみ)くんのおかげ。ありがとう。  って、なんで、言わせてくれないかなぁ」  思わず樹深(たつみ)くんに苛立ちをぶつける。樹深(たつみ)くん、目を丸くして私を見た。 「…ごめん」  ションボリしてボソッと呟く。やだもう、面白い。 「分かれば、よろしい(笑)」 「…くくっ。あ~、やっと、この空気に戻ったなぁ(笑)」  うん。いつもの私達。さっきの心臓のドクドクはもう消えていた。  お礼をなかなか言えなかったから、そうだったんだろう。 …
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