第13交差点 未知の鼓動

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「あ、髪になんかついてる」  モーニングを食べ終えて、食後のコーヒーをたしなんでいると、樹深(たつみ)くんが指を差して言った。 「あ? ホント? どこ?」 「あー、待った待った。じっとしてて。ありゃー、なんだこりゃ。絡んでる」  樹深(たつみ)くん、絡まった髪と格闘(笑) 「ふふ…お手数かけますねぇ」 「いーえー。イッサ、細毛で猫っ毛だね。だから絡んじゃうんだよー…」 「……」  チラッと、横目で樹深(たつみ)くんを見る。  樹深(たつみ)くんの顔、すごい近い。目を細めて、むーと口を尖らせながら、髪に絡んでいるらしいゴミを丁寧に取り除いてくれてる。  そんな樹深(たつみ)くんが面白いと思う気持ちが半分。  もう半分は…なんなんだ、この状況? というパニック。  樹深(たつみ)くんの指が私の髪を擦るたびに、なんかこう…なんだコレ。  ドクドクッ…ドクドクッ…  まただ。心臓が、ウルサイ。 「よし、取れた!」 「へ? あ、ありがと。はは、ナニ、樹深(たつみ)くん。そのやったぜ! みたいなカオは(笑)」 「えー? だって、うまく取れたでしょ。スゴくない?(笑)」  そう言うと樹深(たつみ)くんは、指で髪が絡んでた所を()いた。 「っ…」  ビックリした。今、心臓跳ねた。 「ハイハイ。お疲れ様でしたねぇ」  平静を装う。私、おかしい。樹深(たつみ)くんに気付かれたくない。  樹深(たつみ)くんはひと仕事を終えて、満足そうにコーヒーをすすっていた。  いつもの喫茶KOUJIでのやりとりなのに…これまでになかった違和感。樹深(たつみ)くん。暴れる私の…心臓。  …どうしちゃったんだろう。ヘンだよ。 …
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