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幼馴染と苦手な子
スーパーは家から五分くらい歩いた所にある。
「いやーそれにしてもみんなドラゴンを連れてるな」
街の住民は半分位がルークのような、小さいドラゴンを一緒に連れている。
まぁ、みんな同じ時間に卵が届けられた筈だから、恐らく俺達と同じく餌を買いに来ているのだろう。
「虎太郎久しぶり」
「うぉ!なんだ雪か…」
急に目の前に現れたからびっくりした。
こんなに近くに寄らなくてもある程度の距離で呼べばいいのに。
俺を呼んだ青い髪の童顔の子は幼馴染の朝日雪だ。
昔から何考えてんのかよく分からない所謂不思議ちゃんっていうやつだが、悪い奴ではない。
「あれ、隣の子は?」
「あっども!大学で仲良くなった春芽 桜っス!よろしくっス!」
体をこっちに乗り出してウインクする桜髪のショートヘアの女子。
このイケイケな感じ結構苦手だ。
「あ、あぁ…。俺は東山 虎太郎です。よろしく春芽さん」
「虎太郎。虎太郎は餌買いに来たの?」
「あぁ。そっちも?」
「そうっすよ!私の子を腹ぺこにしたままは嫌っスからね!」
春芽さん、ドラゴンの事を一番に考えるとは中々いい人そうだ。苦手意識は取れないけど。
「一緒に行こ」
「おう。…あれ二人ともドラゴンは?」
よく見たら二人ともドラゴンを連れていない。もしかして家に置き去りなのか?
「えっ?虎太郎さんダンボールの中ちゃんと見てないんっスか?なんか中にペンダント見たいのが入っててその中にドラゴンを入れれるんすよ!」
「えっそうなの?」
いきなり下の名前で呼ばれた事に違和感を覚えたが、まぁいいだろう。
それより、そんなのはいってたっけ?全然気づかなかったな…。
二人の首元を見てみると、確かにペンダントみたいなものを着けている。
「じゃあそのペンダントに二人ともドラゴンが入ってるの?」
「「そう(だよ)(っス)」」
「へぇー」
そっか…確かに考えてみれば大きくなったら家は狭いから、入らないもんな。
話しているといつの間にかスーパーに着いていた。
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