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「よっ!お邪魔するよい!」
突如、薄汚い泥沼中学の教師が、一升瓶を持って現れた。
「ぬ、沼岸先生!そうあからさまにお酒を持ってこられては困ります。生徒や父兄の目もありますし、もしマスコミに嗅ぎつけられたら・・・。」
「かまわねっぺよ!どうせ飲むんだからよ~。」
泥沼中の校風は豪快だ。沼岸は胸元からスコッチウイスキーを取り出すと、グビッと飲んだ。
「全く、これだから偏差値の低い中学は・・・。」
「教頭さん!何か言ったべか?」
沼岸が教頭の胸ぐらを掴む。早くも波乱の会だ。しかしなぁに、この二人は前回もこうやって争っていたのだ。そのくせ最後には仲良く二人で衣笠音頭を踊っていたのだった。
私は馬鹿らしくなってテーブルの上のフライドチキンをつまんだり、クーラーボックスの中のビールの本数を数えたりした。
「おこんにちは。」
ひょいひょいと現れたのは尻軽中学の足軽先生だった。
「いや、いや、山岸先生。今日も暑うござんすな。な、な?」
足軽は馴れ馴れしく私に話しかけてきた。私は一体、こういう尻の軽いタイプの人間は好きではないのだ。
足軽は扇子をパタパタとなびかせながら、教頭のところにゴマを擦りに去っていった。
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