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「し、失礼します。」
妙におどおどしながら入ってきたのは第一中学の魚木先生であった。
「ほ、ほ、ほ、本日はお日柄も良く・・・。」
「まあ、まあ、魚木先生。そう固くならずに。」
私はポンと魚木先生の肩を叩いた。すると魚木先生はそのままズド~ンと倒れてしまった。
「うっ、魚木先生っ!?」
魚木先生は顔面蒼白になり、魚のようにビクッ、ビクッと痙攣していた。
「い、いかん!誰か救急車を。」
「山岸先生。救急車はまずいです。」
「しかし教頭。魚木先生の容態は尋常ではないでしょう。」
教頭は務めて冷静に答えた。
「山岸先生。救急車など呼んで大事にでもなってごらんなさい。我々が懇談会と称して学校で宴会を開いていることが明るみになってしまう。そうなったら新聞沙汰ですよ。そもそも、魚木先生にこのような現象が起きたのは今回が初めてではありません。」
魚木先生は、そうだというように体をびくっとさせた。
「しかし、このまま放っておくわけには・・・。」
「とりあえず掃除用具箱の中に入れておきましょう。しばらくすれば落ち着くでしょう。」
仕方がないので、沼岸先生と野武士と私とで、暴れる魚木先生を取り押さえ、掃除用具箱の中に押し入れた。魚木はしばらく中で暴れていたが、教頭の言うとおりじきにおとなしくなった。
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