1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
皆にシャンパンが行き渡ったところで教頭が立ち上がった。
「えぇ、皆さん。我々は教育という名の下に大変な労働を強いられています。言わば我々は尊い聖職者なのでございます。本日、我が校には魚木先生を含む7名の教師が集い・・・。」
「そう言えば魚木先生の姿が見えませんが?」
事情を知らない凡倉が不思議そうに発言した。
「なに、いつもの病気でげす。」
足軽が不敵な笑みを浮かべる。それを見ていた野武士が我慢できずに立ち上がった。
「えへん。えへん。不愉快だ。えへん。実に失敬だ。」
野武士は腰から刀を取り出すと手当たり次第に振り回し始めた。
「や、山神先生。危険ですのでお止め下さい。うわっ!?」
野武士の刀が私の鼻先をかすめた。私は頭にきたので凡倉の持ってきたミートローフを皿ごと投げつけた。
「山岸先生!ひどいじゃないですか。」
見ると凡倉はすっかり青ざめて、頬には一筋の涙が流れていた。
「ひどいのはおまえらだ!これを見ろ!」
私は掃除用具箱をバコーンとこじ開けた。
すると中からグルグルに縛られた魚木先生が勢いよく飛び出して、机の上でビチビチと跳ねはじめた。
食べものや酒が飛び散らかる中で、なぜか教頭は高笑いをしていた。
最初のコメントを投稿しよう!