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『ヒナくんはまっすぐだね。いつも私を否定しないでいてくれる』
「…嫌だった?」
『違う、嬉しいの。そんなことをしてくれるのは家族だけだと思ってたのに』
その言葉に悲しくなった。
彼女は今までそんなふうに周りから言われてきたんだと思ったら、もっと早く出会えなかったことを悔やんだ。
でも、それはもうどうしようもないから、これからは大事にするだけ。
一人で頑張ってきた彼女だから、これからは一緒に悩んであげたい。
たったそれだけで救われることはきっとあると思うから。
「紫音はもっと自分を認めていい。卑下しなくていいんだよ」
外野の声なんて気にする必要ない。
なにも知らないくせに否定する人っていうのはいるから、それを鵜呑みにしなくていい。
「――そのままの君が、俺は好きだ」
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