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これは愛の証
「おかえりなさい」
千晶は笑顔で誠也を玄関で出迎えた。
「ただいま」
千晶より歳下で若干の童顔だが、千晶に疲れを見せまいと笑顔で応じる。誠也は笑うとより若く見えた。
靴を脱いで上がると、そのまま千晶を抱き寄せた。千晶は自らも誠也の背中に手を回しそれに応じる。
「「ぱぱー!!」」
2人の時間は子供たちの声により突然終わりを告げられる。
誠也は苦笑すると名残惜しく離れた。
「ほら、お土産だぞ」
子供たちに紙袋を手渡す。それを受け取り嬉しそうにリビングに戻っていく結菜と一樹。
「2人ともあなたが帰って来るのを待ってたのよ」
「いい子たちだ」
もう22時だ。結菜は今年3歳、一樹は1歳で2人とも眠いのを我慢して誠也が帰ってくるのを待っていた。
「ご飯は?」
「食べてきた。風呂は沸いてる?」
「もちろんよ」
千晶に荷物を預け誠也は浴室へ向かった。
浴室へ入る直前、千晶の後ろ姿を見て誠也はどこか違和感を感じた。
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