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15:03 電車の揺れは心地よくて眠気を誘う。 佳澄のところにいる間は携帯を見ないことにしていてだいたい電車の中で見るのだが、今日は眠ってしまいたい。 今日は佳澄の色んな顔が見られた。 思えば高校時代はひたすらに元気で無邪気な子だと思っていたが、成長して彼女の中に深みが生まれているように思えた。 ふとした時の寂しげな横顔も何かを潜ませた笑顔も今まで見たことがなかったからだ。 窓の景色が流れていく。 私はいつまでこの景色を見るのだろう。 いつまで佳澄との関係を続けるのだろう。 いつか、全てを清算するときが来ることは確かだ。 でも今は考えたくなかった。
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