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17:00 「あー、眠い·····」 「え、体調悪いの?」 「いや悪くはない」 千晶が帰った後も寝ていた佳澄はほのかからの電話で起こされた。 「私が電話したとき寝てたでしょ?」 「寝てた」 「その状態でお酒飲んで大丈夫?」 「飲んだら覚める」 「そんなわけないでしょ」 昼間の千晶との思い出に浸っていたせいで若干の興奮が残っているが、いつまでも眠ってはいられない。 サッとシャワーを浴びて化粧もそこそこに軽音サークルの飲み会に合流したのだ。 「酒は飲んでも飲まれないわよ」 「はいはい」 ほのかと連れ立って歩くその先に見覚えのある男の姿が目に入った。 加賀颯太(かがそうた)。別れてしばらく経った元彼である。 あの電話以来連絡はない。 「あ、颯太くんだ」 目ざといほのかはすぐ発見するが、佳澄は知らないふりをして歩いた。 「そういやほのかのヤバめの彼氏はどうなったの?」 「ずっと無視してたら静かになった」 「ふーん」 まあほのかに何にも危害が及んでないなら大丈夫か。 「前の男の話は忘れましょ。あんたも私も」 「そうね」 居酒屋ののれんをくぐる。 今日ぐらいは少し飲みすぎてもいいかもしれない。
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