第1話 忘れん坊の迷探偵 柊 晶

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第1話 忘れん坊の迷探偵 柊 晶

東京都 新宿、昼時のビジネス街を俺は通帳片手に笑みを浮かべながら街を彷徨っていた。 仕事の報酬2000万円と印字された通帳を何度も見ながら高笑いをしながら、俺の脳内ではキャバクラやパチンコなどと言う単語で埋め尽くされていたが‥ 俺の名は柊晶(ひいらぎあきら) 29歳。 俺は日本政府から受けた依頼で北朝鮮の軍事施設に行き、施設内のシステムを特性ウイルスソフトで破壊する事に成功した。こう見えても俺は元CIAに属していたほどの腕前だ。 「早速金も振り込まれたし、麻布十番にでも行って豪遊するぞ」 俺は意気揚々と早速お気に入りの子が居るガールズバーに向かおうとしたが‥ トントン 俺の肩を優しく叩くのを感じ、視線を向けると身長2メートルほどのスキンヘッドで強面の男が不気味な笑みを浮かべながら俺を見ていた。 一瞬、クロちゃんか? と思ったが俺は奴を見て、加えていたタバコをポロッと落としながら唖然とした表情を浮かべた。 「兄ちゃんよ。収入が入ったそうだな。キッチリ1000万、耳をそろえて返して貰うぜ」 俺の額に怒りを抑えた顔を押しつけながら言ってくる借金取りに渋々、1000万円を返すハメになった。 ココで騒ぎを起こしても仕方ないと思いつつ、まだ1000万も残っているという余裕があった。まあ、金がないのに豪遊して裏路地にある金融会社から借りたのがいけないんだが‥
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