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ダンス ウィズ ウェイブス
水辺にたたずむ君の後ろ姿
腰まで伸びた黒髪が
潮風に揺れている
そして聞こえて来るのは
波の音だけ
数え切れない無限の繰り返し
波は打ち寄せては引いてゆく
しかし、決して
瞬間をとどめることは出来ず
今と言う概念はその意味を失う
夕陽に映える君の笑い顔
波間に現れては消えるその面影
永遠にも似た時の流れの中で
それもやはり永遠の様に失われてゆく
そこに残されたものは
繰り返される波の音だけ
それは時とは一方的に
過ぎてゆくものだと言うこと
その表象である
君が笑う
暮れなずむ陽の中で
君が踊る
安住の地を求めるかの様に
背後に聴こえるのは
終わることのない波のリズム
思い出の中で
今も君は踊っている
波と戯れる
時の微睡みに
身も心も忘れ
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