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透きとおって消えてゆく
朝露が車の屋根を濡らしてる
それで夜が明けつつあることに気付いた
見上げる空は東に行くほど
紺からブルーへと変わり
空気は何処までも透きとおっている
突然、前を歩く君が左腕で駐車中のその車の屋根に並んだ無数の水滴を後ろに目掛けて払う様に弾き飛ばした
あ、ちょっと待って…
僕の口から思わず言葉がこぼれ落ちる
同時に水飛沫をまともに胸に浴びた
君の笑い声が響く
どうしたんだい?
だって可笑しいんだもの
何が?
急に慌てる様子が
僕達は夜を徹して歩いていた
それは予め決められていることへの反発だった
そして永遠に続く日々の中で
数え切れない明日を求めてさまよった
君は明けたばかりの空を見ている
覚えているかい?
覚えているさ
そっと呟いた君の言葉が朝の冷たい風に舞う
このまま透きとおって
消えてゆきたい
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