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まるで宇宙がそうであるかのように、星の数、もしくはそれ以上の生命の数。
会ったことある人も、ない人も、黒人も白人も、子どもも老人も、産まれたばかりの人も、死んだばかりの人も。
暁くんも、かなえさんも。
今、現世に肉体を持って存在していなくても、魂は皆等しく、ここにある。
みんな、仲間なんだ。
1人1人は『個』で、光からの位置はそれぞれ違うけど、同じ条件でここに、この空間にある生命だ。
皆、この白い光から産まれ、育てられている光の粒、神の子どもだ。
皆、それぞれ苦しみ悲しみ、喜び楽しんでこの世を生きている。
もしくは、存在している。
それぞれがそれぞれの希望を、目標を持ち、試練に奮闘して魂を磨いている。磨いて、光に近づこうとしている。
見える。
病魔と戦っている魂。
重傷を負っても、愛する人たちのために再起を誓う魂。
身体の傷じゃなく、心の傷に苦しむ魂。
ダメだと分かっているのに、憎むことしか出来ない魂。
家族のためにと自己を犠牲にして寿命を縮める魂。
誰かのためにと夢を捨てる覚悟をした魂。
誰かのためにと夢にしがみついている魂。
光を望みながら、闇にしか生きられない魂。
光に近いはずなのに、闇の方に興味を持つ無邪気な魂。
最終的には、光がゴールのはずなのに。
皆、なかなか誘惑に勝てず、試練を乗り越えることが出来ず、同じ場所を何百年もさまよっている。
魂の玉はなかなか光の方に進まない。
一進一退、たまにポンと前進したり、後退したりして、ほぼ同じ場所で揺れている。
難しい。
まっすぐに進むのは、簡単に見えて、誰にでも出来ることじゃない。
けれど頑張っている。
どんな困難があっても、逃げることなんて出来ないから。
乗り越えなきゃ進まないから。
魂に『死』はない。
光に溶け込むまで、『自分』は存在し続ける。
何度も、何十回も、何百回も。
ループは続く。
諦める、リタイヤする、という選択肢はない。
逃げても、存在は、『自分』は消えないからだ。
和子は果てしなく広がり存在する魂の玉たちの波動を感じ、その辛苦に立ち向かう懸命な姿勢に心を打たれた。
そしてこれまでの自分の甘さ、愚かさ、自己中な態度に滅入ると共に、何だかどこか嬉しくて、心強い気持ちが沸き起こるのを感じた。
あたしは1人じゃない。
1人だけど、1人じゃない。
みんな、戦っている。
みんな、頑張っている。
1人じゃない。
1人じゃないんだ。
同じゴールに向かって、みんな進んでる。
あたしたちはみんな、家族みたいなものだんだ・・・・・・。
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