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エリィはホッと息をついて、言い直した。
「そうです。日曜日です」
「じゃあ、3日、食べてない、な」
ハァ⁉︎
叫ばなかった自分を褒めて欲しい、とエリィは思った。それくらい有り得ない事だ。食事は健康を維持するために必要不可欠だ。何を一体考えているというのか。トーマをエリィの部屋に押し込め、干していた寝具をベッドに敷き直すと、そこにトーマを寝かしつけて、籠と財布を持って、直ぐに市へ向かった。
昨日サーラさんから頂いたパンは、固くなっているから、共同の食堂に置いてあるエリィ専用の蓋付き鍋も忘れない。蓋付き鍋の中にスープを買って入れて来て、共同の食堂で火を使わせてもらい、ある程度温まったら、鍋ごと自分の部屋に戻った。
ベッドを見れば、顔色の悪いトーマが眠っていた。どうやら睡眠もまともに取っていなかったらしい。
「この人、生活能力大丈夫かしら」
呟きながらも、固くなっているパンをスープに浸しておく。エリィのパンは無くなってしまうから、市で買って来たリンゴで我慢をしよう。2個買って来て良かった。トーマが目覚めるまでに、リンゴを食べてしまい、教会に行く事は諦めた。
そうして、スープに浸されたパンがすっかり柔らかくなった頃、トーマは目を覚ました。
「気付いた?」
「ああ」
トーマは目を瞬かせている。記憶が曖昧なのかもしれない。
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